ガイドコメント
デビュー作からわずか8ヵ月後に発表された2nd。のちに彼とともに有名になるEストリート・バンドのメンバーが参加、ロックンロール/ソウル・フレイバーが盛り込まれた1枚。
収録曲
01THE E STREET SHUFFLE
スプリングスティーンとバンドの代名詞のような曲。ホーン・セクションをフィーチャーしたラテン・ファンク調のリズムに乗って、夏の夜の街路を徘徊する若者たちのさまざまな生態が歌われる。パーカッションが炸裂する終盤のラテン・ロック・サウンドも効果的。
024TH OF JULY, ASBURY PARK (SANDY)
独立記念日の夜の街を背景にしたロマンティックなラブ・バラード。アコーディオンをフィーチャーしたエキゾチックなサウンドをバックに、スプリングスティーンが情感を抑えた囁くような歌声を披露している。巧みにコントロールされた歌と演奏が素晴らしい。
03KITTY'S BACK
地元のマドンナ、キティの不在と帰還を描いた曲。すすり泣くようなリード・ギターで幕を開け、都会の男と一緒に出て行ってしまったキティの不在を嘆き悲しむブルージィな曲調が大半を占めているが、終盤には彼女の帰還を祝う陽気な大騒ぎも楽しめる。
04WILD BILLY'S CIRCUS STORY
サーカス・タウンの情景を描いたバラード。アコーディオン、チューバ、マンドリンを配したアンプラグドな演奏をバックに、火喰い男、剣呑み男、怪力男、小人、人間砲弾など、賑やかな顔ぶれが登場する。だが、スプリングスティーンの歌声は寂しげに響く。
05INCIDENT ON 57TH STREET
スパニッシュ・ジョニーとプエルトリカン・ジェーンとの一夜のロマンスを描いたバラード。都会の夜を彩る煌めくネオンのような演奏をバックに、今夜だけの刹那的な恋が歌われる。登場人物の生態や背景を描いた歌詞の細部のリアルなタッチが光る名曲。
06ROSALITA (COME OUT TONIGHT)
快調に疾走するスプリングスティーン流ロックンロール・チューン。ガールフレンドの両親に理解してもらえないロック・ミュージシャンの熱い恋心が炸裂する。自伝的なエピソードもはさみながら、若い男の子たちの普遍的な心情を歌った初期の名曲のひとつ。
07NEW YORK CITY SERENADE
ニューヨークの街を舞台にしたドラマティックなバラード。ピアノとストリングスをフィーチャーした演奏をバックに、NYのストリート・ガールに恋をした男の物語が歌われる。中盤に挿入されるゴスペル・クワイアのパートも効果的。終盤の抒情的な展開も素晴らしい。