ミニ・レビュー
肩の力がいい具合に抜けてスンナリと入ってくる。“唄える”分だけメロディーもの幅も広がるわけで、当然のことだがアレンジも奇をてらう必要がなくなる。セカンド・アルバムにしてこれだけスムーズな“流れ”を創り出せるというのは、やはりタダ者でなはい。
ガイドコメント
『インソムニア』に続く2ndアルバム。シングル「流星群」「infection」などを収録。危うさを感じさせる詞を、まるで癒すように歌う鬼束ワールドは、数ある女性シンガー・ソングライターのなかでも際立ってユニーク。
収録曲
01ROLLIN'
シングルはバラードが多いが、アルバムでは多岐にわたる表情をみせる鬼束の、2ndアルバム『This Armor』収録曲。バンド編成で奏でられる、ミディアム・テンポのポップ・ソングで、分厚いコーラスがサウンドに広がりを持たせている。
02茨の海
03シャドウ
壊れそうなくらい繊細な思いを抱え、痛みを歌う鬼束の真骨頂ともいえるバラード。2ndアルバム『This Armor』収録。ピアノが哀切な思いを低く強く強調し、時に消えてしまいそうなくらいの悲しげな声が美しく響く。
04everything、in my hands
バラードの多い鬼束だが、この曲は実にキャッチーなポップ・ソング。ピアノやストリングスを駆使しているところは変わらないが、弾むようなリズムがポップさを強調。一方で歌詞はただ明るいものではなく、やはり繊細。
05Our Song
2ndアルバム『This Armor』収録の、意外なほど穏やかな優しい英語詞の曲。アコースティック・ギターが柔らかく包み込むように響き、誰かに思いを馳せるような鬼束自身の声も、胸に染み渡ってくる。
06流星群
07LITTLE BEAT RIFLE
08Arrow of Pain
2002年3月の2ndアルバム『This Armor』収録のメジャー・コードのバラード。壊れそうなくらいのヒリヒリとした歌詞なのだが、デジタルなパーカッションを加えた不思議にスペーシーなサウンドに乗ると、メロディの美しさに心を奪われてしまう。
09Infection
10CROW