ミニ・レビュー
デビュー以来、3枚のシングルがすべて『オリコン』のトップ5に入っている彼らのファースト・アルバム。ありがちな歌謡ロック・バンドのような曲もあるが、実は新世代のミクスチャー・バンド。ミクスチャーをそれと感じずにやっているようなところが新世代。★
ガイドコメント
人気アニメ『BLEACH』主題歌として大ヒットした「D-tecnoLife」をはじめ、デビューからすべてのシングルがトップ5入りしているロック・バンド、UVERworldのデビュー・アルバム。
収録曲
01CHANCE!
PSPソフト『BLEACH〜ヒート・ザ・ソウル2〜』テーマ曲。か細いヴォーカルとノリの良いラップが織りなすパフォーマンスは、何度聴いても飽きることのない心地良さがある。メタリックな魅力も満載。
02トキノナミダ
恋愛に対する後悔と懺悔を歌った失恋ソング。スピード感ある分厚いギター・サウンドが感情を湧き上がらせ、 歌の世界へグイグイと引き込んでいく。迫力十分のサウンドがヴォーカルの瑞々しさを際立たせ、切実に胸に響く。
03Rush
初っ端の一直線に迫ってくるようなラップに早くもテンションが上がる。そのラップとサビ部でのそっと語りかけるようなヴォーカルとのメリハリが気持ち良い。ついついリピートしてしまう人懐っこい曲だ。
04D-tecnoLife
TVアニメ『BLEACH』主題歌。無意識にリズムを刻んでしまう軽快なリズムに引き寄せられる。あくまで強く生きようとするバンドの姿が鮮明に現れたこの曲は、ファンならずともいつまでもそばに置いておきたい1曲だ。
05優しさの雫
幼い恋を省みて歌った切ないバラード風ナンバー。ピアノやトランペットを取り入れたアレンジや、バック・コーラスも効果的で、深みのあるサウンドに仕上がっている。彼らのバンドとしての実力が感じられる1曲。
06ai ta 心 (Album Version)
デビュー・シングル「D-tecnoLife」B面曲のアルバム・ヴァージョン。感傷的で繊細なメイン・ヴォーカルが印象的。随所で切れ味鋭いギターが冴えわたり、心を切り刻んでいくようで歌の悲しみを助長する。
07Burst
重低音サウンドが冴えわたるダークでメタルな曲。とはいえ、メタルの型にはまらないギター・リフもあり、そこに彼らの幅の広さと未知の可能性がうかがえる。コンパクトに仕上がっていて聴きやすさも抜群。
08Nitro
メイン・ヴォーカルとバック・ヴォーカルの使い分けの妙が、聴き手を気持ち良く曲の世界へ導いていく。脳を揺さぶるような鋭く重いギター・リフが頭に焼き付いて離れない、中毒性さえ含んだキラー・チューンだ。
09just melody (Album Version)
3rdシングル曲のアルバム・ヴァージョン。エレクトロニック・サウンドと彼らの特徴でもあるず太いギター・サウンドが絶妙にブレンドされた音は、新鮮で刺激的。想い出を胸に新たな旅立ちを誓う美しさが感動的なナンバー。
10Lump Of Affection
社会的なメッセージを含んだ歌詞には、ヒップホップからの精神的な影響がうかがえる。単調で分かりやすいメロディが「全てを愛で包もう」というテーマを鮮やかに照らし出し、聴く者の心を温めてくれるナンバー。
11扉
信じることの意味に言及した感動的なナンバー。冒頭のアコースティック・ギターで心を掴まれ、中盤の小気味良いエレキ・ギターが掴んだ心を離さない。実力派バンドのずば抜けたポップ・センスが堪能できる。
12SE
エレクトロニックに仕上がったインストゥルメンタル曲。スピード感溢れるビート、ミステリアスなシンセサイザー、唐突な曲展開でハラハラさせるスリリングな作品だ。1stアルバム『Timeless』に収録。
13D-tecnoLife (Album Version)
デビュー・シングル曲のアルバム・ヴァージョン。テンポ良いドラムが楽しい作品。また、「信じてみよう、前を向こう」というメッセージが印象的で、彼らの真摯な魅力が溢れ出ている。挫けそうな時に聴きたくなる作品だ。