ガイドコメント
細野晴臣、鈴木茂、松任谷正隆、林立夫という豪華な顔ぶれによる、伝説のスーパー・バンドのベスト・アルバム。発表から25年以上を経てなお輝きを失うことのない名曲12曲を収録している。
収録曲
01泰安洋行
1976年にリリースされた異国情緒あふれる細野晴臣のソロ・アルバム『泰安洋行』のタイトル曲のカヴァー。バリ島のガムランの雰囲気を持ったナンバーで、マリンバやスティール・ドラムなどすべての楽器を細野が演奏したインストゥルメンタル。
02香港Blues
オリジナルは1976年の細野晴臣のソロ・アルバム『泰安洋行』収録曲。「スターダスト」などの作曲で知られるホーギー・カーマイケルのカヴァーで、ハリウッド映画に日系や中国人が登場する時のような中華風音楽にアレンジ。エレピで矢野顕子が参加。
03はあどぼいるど町
1975年のティン・パン・アレーのアルバム『キャラメル・ママ』収録曲。迷探偵(ほーむず)や怪盗賊(あるせーぬ)なども登場する、探偵小説をテーマにした松本隆の詞がユニーク。“ハードボイルド”を体現したような硬質なサウンドも特徴的。
04JACKSON
アルバム『キャラメル・ママ』の収録曲。アメリカ南部の街・ジャクソンのことを歌ったカントリー調のナンバーで、松任谷正隆がヴォーカルを担当。コーラスには山下達郎や大貫妙子らが参加し、細野晴臣のベースも超絶のプレイをみせる。
05ソバカスのある少女
ボブ・ディランの「北国の少女」と同様に、かつての恋人のことをセンチメンタルに想う歌。作詞は松本隆、作曲・ヴォーカルは鈴木茂。ピアノとヴォーカルで南佳孝、エレピで矢野顕子が参加し、繊細なサウンドに仕上げている。
06ろっかばいまいべいびい
1977年のアルバム『ティン・パン・アレー2』収録曲で、1973年にリリースされた細野晴臣の楽曲をカヴァー。ヴォーカルは兄弟デュオのブレッド&バターで、イージー・リスニング風の落ち着いたポップスに仕上げている。
07Hong Kong Night Sight
1977年の松任谷正隆のソロ・アルバム『夜の旅人』収録曲で、エキゾティックな香港の模様をポップで東洋的なサウンドに乗せて歌っている。作詞は荒井由実で、81年に松任谷由実名義でカヴァーされている。
08航海日誌
1977年のアルバム『ティン・パン・アレー2』収録曲で、1975年にリリースされた荒井由実の楽曲をカヴァー。ラテンの軽快なリズムと南国風の音色を施し、スマートに洗練されたインストゥルメンタル曲に仕上げている。
09北京ダック
1975年の細野晴臣のソロ・アルバム『トロピカル・ダンディー』収録曲のカヴァーで、横浜中華街を逃げる北京ダックをユーモラスに歌ったナンバー。中国風のメロディやカリブのリズムなどをごった煮にした“チャンキー・ミュージック”を披露している。
10銀河ラブソディー
ウエストコーストの凄腕ミュージシャンと互角にセッションを交わした、1975年の鈴木茂のソロ・アルバム『バンドワゴン』収録曲のカヴァー。恋人をそっとなぐさめる内容で、鈴木の流麗でエモーショナルなギター・プレイが魅力的なナンバーだ。
11月にてらされて
1975年のアルバム『キャラメル・ママ』収録曲。作詞は荒井由実、作曲・ヴォーカルは松任谷正隆。月に照らされながら歩き続ける旅人をテーマにした曲で、エキゾティックな音がちりばめられている。
12Exotica Lullaby
アジア的なサウンドをフィーチャーした、細野晴臣のアルバム『泰安洋行』のラストを飾る曲をカヴァー。「夜ごと迎えにくるゴンドラに乗り込もう」とリズミカルに歌われる、エキゾティックな子守歌。不思議なエフェクトで幕を閉じるエンディングが耳をひく。