ガイドコメント
2000年全国ツアーでその地位を確固たるものにした彼ら。初のベスト盤は、デビュー曲をはじめとする7枚のシングルに、アルバム未発表のナンバーなどを追加収録した全17曲の充実作だ。
収録曲
01G.W.D (シングル・ヴァージョン)
02スモーキン・ビリー
チバのエネルギッシュでしゃがれた歌唱に圧倒されるガレージ・ロック。一見クールだが熱のこもったドラムが曲全体をまとめている。間奏のうねるギターが挑発的で、“yeah!”というシャウトも闘志をかき立てる。
03ハイ!チャイナ!
荒々しい歌声と豪快な演奏が魅力のガレージ・ロック。重厚なギターが中心のシンプルなサウンドに、アグレッシヴなブルース・ハープがアクセントとなって曲にメリハリをつけている。勢いのある掛け声にも気合が入っている。
04ブラック・タンバリン
彼らの代表曲の一つで、軽快なリズムと毛羽立ったギター・リフで躍動感あふれる仕上がりになったロックンロール・ナンバー。チバの枯れた熱い歌声とバックの“ブラック・タンバリン”という掛け声が清々しい。間奏のゴキゲンなギターも印象的。
05リリィ
シリアスで重たいサウンドのAメロとは打って変わって、強さのなかにさわやかさが感じられるサビが耳になじむ。“あふれかえる パスタの山”という表現や、フレーズの最後を抑揚をつけるように伸ばす歌い方に、チバ独特のユニークな一面が見える。
06アウト・ブルーズ
晴れ晴れとしたサウンドが爽快な、エモーショナルでノリのよいガレージ・ロック・ナンバー。気分を高揚させる間奏のギター・プレイでは、彼らのアレンジ力の高さがうかがえる。エネルギッシュなチバの歌声が耳から離れない。
07why do you want to shake?
08blue nylon shirts (from belcony) (アナログ収録ミックス)
安定感あるベースを軸にしたファットなサウンドだが、ライトなギターで柔和をプラス。“あたたかな日々を 転げ落ちる”などやや陰鬱なチバ独特の世界観も印象的だ。2ndアルバム『High Time』のアナログ盤『is this High Time?』に収録。
09ブギー
空間系のノイズをバックに、落ち着いたベースとシンプルなコードのギターを乗せたナンバー。“戻らない 進まない”という空虚な気持ちを淡々と歌うが、間奏の歪んだギターはそこから抜け出したいという迷いや葛藤を表わしているよう。
10バードメン
“モッズ”と“ミッシェル”という単語を世に知らしめた6thシングル。突き抜けたグルーヴと耳なじみのよいサビが爽快。無論、研ぎ澄まされた演奏のインパクトは秒殺級。
11Baby、please go home
12VIBE ON! (アナログ収録ミックス)
アナログ限定で1998年にリリースした7thシングル。バイクのエンジンが轟くかのごとく、のっけからグルーヴィなギターが畳み掛けるロック・ナンバー。“VIBE ON!”とタイトル・コールで何度もキメる景気の良さが痛快。アルバム初収録。
13ジェニー
陽気でリズミカルなカントリー風サウンドのアップ・ナンバー。一度走り出したら止まれないほどの速いテンポが魅力で、チバの勢いある歌唱にもテンションの高さがうかがえる。時折聴こえるシャウトも突き抜けた明るさを感じさせる。
14リボルバー・ジャンキーズ
明るい曲調で親しみやすいさわやかなナンバー。チバのしゃがれた熱い歌声は、サウンドと対立することなく見事になじんでいる。甘い雰囲気を醸し出すライトなメロディに、詞は“今日の風は俺に 泣いてるのだろうか”という切ない内容を乗せている。
15世界の終り (primitive version/アルバム・ヴァージョン)
デビュー曲にしていきなり“終わり”を歌ったなんとも挑戦的なタイトル。チバのけだるい歌声と疾走するリズム隊、鋭いギター・カッティングで作りだされる唯一無二のロックは、当時の音楽シーンに衝撃を与えた。
16GT400
シンプルなコード進行でなめらかなメロディを奏でる、ルースターズへのオマージュ。バイクに乗って走り出すという勢いのある内容の詞とは対照的に、歪んではいるが柔らかく鳴らされるギターが心地よい。チバの歌声もどこか気楽だ。
17ダニー・ゴー
さわやかで躍動感のあるロック・ナンバー。エネルギッシュなドラムを軸にしたサウンドでは歪んだギターが痛快に鳴り響き、突き抜けた晴れやかさを演出している。“ダニー・ゴー”と繰り返されるフレーズが清々しく、ゆったりとしたアウトロの口笛も涼しげだ。