ミニ・レビュー
なんと4年ぶりのオリジナル・アルバム。大沢伸一、亀田誠治、田中知之らがプロデューサーとして参加、ザ・ブリリアントグリーンの松井亮や佐々木潤らも曲提供した豪華な一枚。例によって甘甘でベタッとしたファンタジーの世界が繰り広げられている。
ガイドコメント
ユニバーサル移籍後初となる、Charaのオリジナル・アルバム。そっと囁きかけるようでいながら懐の深さをも感じさせる歌声が印象的。田中知之や大沢真一、亀田誠治といった気鋭クリエイターとの相性も抜群だ。
収録曲
01私を見つめて
甘いウィスパー・ヴォイスのア・カペラで始まるアルバム『ユニオン』のオープニング。ハープを思わせる流麗なアコースティック・ギターの音色に乗せて恋の女神に祈るのは、ひたむきな女の子の気持ち。さながらチャラ版「Lovin' You」のよう。
02FANTASY
03Crazy for you
2006年11月にシングルでリリースされた、得意のキュートなポップ・チューン。ブリリアント・グリーンの松井亮によるキャッチーなメロディに、FPMこと田中知之のサウンド・プロデュースがマッチングして、新しいチャラ・サウンドが誕生した。
04Tear drop
チャラが綴る言葉のひとつひとつから、切なさがあふれてくるようなミッド・ダンス・ナンバー。グルーヴの緩急を巧みに使い分け、打ち込みのクールさの中に人肌の温もりを残した絶妙なサウンド・プロダクションは、大沢伸一のプロデュースによるもの。
05Boy
ファンキー・テイストのミッド・チューン。リップス・インクの「ファンキー・タウン」を思わせるキーボードの音色や、プリンスの「Kiss」を彷彿とさせるギター・リフなど、小技がちりばめられたアレンジは、チャラ自身によるもの。
06甘い甘い
タイトルとは裏腹にビターな恋心を歌ったミッド・バラード。ポエトリー・リーディングのごとく自由奔放に綴られたソングライティングと、ふわふわした雲の上を歩くような夢心地のセルフ・アレンジは、さすがチャラといえる仕上がり。
07o-ri-on
ジャクソン5の「I'll Be There」を思わせるイントロで始まるロック・バラード。ギターをメインにしたドラマティックなアレンジにより、アルバム『ユニオン』中で唯一バンド色が前面に押し出されたナンバーに。プロデュースは亀田誠治。
08BACK
旧知の仲である渡辺善太郎のプロデュースによるスロー・バラード。不安やとまどいをストレートに綴った歌詞を、ざらっとしたギターとチェロの音色が温かく包み込む。アコースティック・ピアノをプレイしているのはチャラ自身。
09This is my car
“愛の糸はたせないの?”言葉遊びのような、謎かけのような、チャラ・ワールド全開の歌詞。気だるいアコースティック・ギターの弾き語りで始まり、途中から残響のようなSEが重なる不思議アレンジも、チャラ自身が手がけている。
10世界
11UNION
アルバムのタイトル曲となる、ファンク・ベースのミッド・ダンス・チューン。東京のクラブ・シーンで活動する気鋭のユニット、LOW JACK THREEをサウンド・パートナーに迎えて、“繋がること”の大切さを音楽で体現した意欲作だ。
12虹をわたる平和がきた
アルバム『ユニオン』の最後を締めくくるのは、心にしみるピアノ・バラード。「人間がいつ透明なの?」「明日の夢 話してて」。チャラの言葉は走り書きのメモのようで、しっかりと胸に刻みこまれる。午後のざわめきと鐘の音のSEにこめられた平和の祈りとともに。