プライマル・スクリーム / バニシング・ポイント [再発]

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プライマル・スクリーム / バニシング・ポイント [再発]
CD
ガイドコメント
70年代のカー・アクション映画『バニシング・ポイント』にインスパイアされた5thアルバム。プライマルならではのダブを基調とするサイケデリックな楽曲を中心に、正統派ロックンロールを織りまぜた幅広い内容。
ミニ・レビュー
97年のアルバム。巧い。ダブの質感を生かしつつ、きらびやかでダンサブルなロックに仕上げた。(9)はホークウインド/モーターヘッドでおなじみの曲。サイケデリックではなくサイケ風が好きな方は必聴であろう。表面的だからオシャレ。音作りには感心した。
収録曲
01BURNING WHEEL
前作『ギヴ・アウト・バット・ドント・キヴ・アップ』から方向大転換を遂げた、驚きのダブ・ナンバー。7分を超える大曲ながら、だれることなく終始一貫したサイケデリック空間をキープ。あふれ出る幻覚性は陶然の極み。
02GET DUFFY
まるでロード・ムービーのサウンドトラックのような雰囲気のトリップ・ホップ調インスト・トラック。イアン・ディクソンの吹くバリトン・サックスをはじめ、ホーンの旋律が冷ややかな暴力性をまとっていて刺激的。
03KOWALSKI
映画『バニシング・ポイント』の主人公の名を冠したダブ・トラックで、劇中の台詞も引用。焦燥感を漂わせたサウンドは、ロックンロールの刹那的な魅力を見事に体現。ベースはストーン・ローゼズから移籍したマニが担当。
04STAR
“レゲエ/ダブの巨星”オーガスタス・パブロと、“世界最強ホーン隊”メンフィス・ホーンズをゲストに、レゲエとソウルを大胆交配。パブロの吹くメロディカの音が心地よい、穏やかでメロディアスなメッセージ・ソング。
05IF THEY MOVE,KILL'EM
曲題は映画『ワイルドバンチ』の有名な台詞「動いたら殺せ」の引用。「KOWALSKI」同様、曲中で台詞を使用するつもりが許可が下りず断念。アイザック・ヘイズの「シャフト」をダビーにアレンジしたようなムードの曲。
06OUT OF THE VOID
色とりどりの音色を駆使しての凝ったサウンド・プロダクションが、幻覚的でアンニュイなムードを演出。ドラッグ使用後の後悔と倦怠感で綴られたような歌詞は、その筋の体験には事欠かないボビーが歌うと説得力も抜群。
07STUKA
「頭の中にキリストがいる」と、『ダ・ヴィンチ・コード』ばりの秘密を語る歌詞が、もはや“人間やめますか”寸前のドラッギーなトリップ・ホップ。ヴォコーダーで処理したつぶやきが、楽曲に漂う中毒性を高めている。
08MEDICATION
『ギヴ・アウト・バット・ドント・キヴ・アップ』に収録されていても違和感のないロック・ナンバー。ベースにセックス・ピストルズのグレン・マトロックを迎え、ローリング・ストーンズ直系サウンドをストレートに快演。
09MOTOERHEAD
モーターヘッドのレミー・キルミスターがホークウィンド時代に発表した曲のカヴァー。プライマルはモーターヘッド版のラフさをベースに、ホークウィンド版のスペーシーなサウンドを被せた器用な雑食アレンジを披露。
10TRAINSPOTTING
映画『トレインスポッティング』に提供されたダブ・インスト。エコーの効いた音空間が秘めたる暴力性を8分間放ち続ける刺激的な曲だ。この曲で得た自信が、ダブ色豊かな傑作『バニシング・ポイント』を生み出した。
11LONG LIFE
アルバムの最後はメロウな曲で締めるのが流儀の彼らが、『バニシング・ポイント』の最後に用意したチルアウト・ナンバー。ダビーな美麗トラックに乗せ、「生きているのは素晴らしい」と、ポジティヴな歌詞を切なく歌唱。
12JESUS
神に懇願する歌詞を、消え入りそうな声で切なげに歌うメロウ・ナンバー。米国南部ロックの風味を採り入れつつも、不思議と泥臭さは感じさせないプライマル流ゴスペル。響きわたるオルガンの音色がやけにスピリチュアルだ。
アーティスト
  • プライマル・スクリーム
    スコットランド・グラスゴー出身のロック・バンド。ボビー・ギレスピー(ジーザス&メリー・チェイン)を中心に1984年に結成。翌85年にデビュー。当初は60年代ロック作風を鳴らすも、91年の『スクリーマデリカ』でハウスを大胆に導入した新機軸のサ……
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