ミニ・レビュー
ヴォーン=ウィリアムズの交響曲を聴くのは、なかなか骨が折れる。一度聴いたぐらいではよく分からず、二度目でもイギリスのブルックナーみたいな印象を受ける。しかし何度も聴き進むうちに、意外にポップな面や交響詩的な展開を発見したりして、霞たなびく田園詩情ばかりではないことが分かる。アンドリュー・デイヴィスの演奏は基本的に自然体。作品によっては、もっと劇的だったり色彩的だったりしてもいいかもしれぬが、妙な気負いのないのは好ましい。
ガイドコメント
ヴォーン=ウィリアムズは、日本でも近年人気が高まっている作曲家。繊細さとダイナミズムを兼ね備えた分かりやすい交響曲集だ。A.デイヴィスは、この作曲家の演奏で高い評価を得ている指揮者。
収録曲
ヴォーン=ウィリアムズ:
[Disc 1]交響曲第1番「海の交響曲」[Disc 2]
01交響曲第2番「ロンドン交響曲」
02交響曲第8番ニ短調
[Disc 3]
01交響曲第4番ヘ短調
02交響曲第5番ニ長調
[Disc 4]
01交響曲第6番ホ短調
02トーマス・タリスの主題による幻想曲
03揚げひばり
04「グリーンスリーヴズ」による幻想曲
05すずめばち〜序奏
[Disc 5]
01交響曲第7番「南極交響曲」
02交響曲第3番「田園交響曲」
[Disc 6]
01交響曲第9番ホ短調
02ヨブ (舞踊のための仮面劇)
演奏
アンドリュー・デイヴィス指揮 BBC交響楽団 [1] BBC交響合唱団 アマンダ・ルークロフト(S) トーマス・ハンプソン(BS) [4] (3)タズミン・リトル(VN) [5] (1)BBC交響合唱団 パトリシア・ロザリオ(S)