ミニ・レビュー
世紀のテナーとして鳴らしてきたドミンゴ初のバリトン・アルバム! 70歳あたりからのこの変身ぶり。本作の特徴は単なるアリア集でなく、シェーナも取り入れて一場面を構成させていることだ。これによって、ドミンゴの持つドラマティックな表現力がいっそう際立つことになった。恐れ入りました。★
ガイドコメント
2009年からバリトン歌手としても舞台に立っているドミンゴの、満を持しての初のバリトン・アルバム。彼にとっては掌中のオペラばかり。役柄の核を押さえた、70歳を超えた歌手とは思えない見事な歌唱を聴かせている。
収録曲
ヴェルディ:
01「マクベス」〜裏切り者め!イングランドと組むか!…慈悲・尊敬・愛 (第4幕)
02「リゴレット」〜二人は同じ穴のむじな (第1幕)
03「リゴレット」〜そうだ、わたしの娘だ…悪魔め、鬼め! (第2幕)
04「仮面舞踏会」〜立て!お前の息子はあそこだ…お前こそ我が魂を汚す者 (第3幕)
05「椿姫」〜プロヴァンスの海と陸 (第2幕)
06「シモン・ボッカネグラ」〜斧を捨てろ!…平民たちよ、貴族たちよ! (第1幕第2場)
07「シモン・ボッカネグラ」〜剣をあなたに (第1幕第2場)
08「エルナーニ」〜これがその場所か? (第3幕)
09「エルナーニ」〜ああ、若かりし頃の (第3幕)
10「トロヴァトーレ」〜全く人影はない (第2幕)
11「トロヴァトーレ」〜君が微笑み (第2幕)
12「トロヴァトーレ」〜あの音は!ああ、いよいよ!…我がために、運命のときよ (第2幕)
13「ドン・カルロ」〜私です、わがカルロ様 (第4幕)
14「ドン・カルロ」〜わが最期の日が来ました (第4幕)
15「ドン・カルロ」〜死がどうしたと? (第4幕)
16「運命の力」〜死ぬとは!酷いことだ! (第3幕)
17「運命の力」〜この中に私の運命がある (第3幕)
18「運命の力」〜しかし、もし他の証拠を探し出せるとしたら…彼が助かったと? (第3幕)
演奏
プラシド・ドミンゴ(BR) パブロ・エラス=カサド指揮 バレンシア州立歌劇場管弦楽団 バレンシア自治政府合唱団 (6)(7)アンジェロ・ジョイ・ブルー(S) フェルナンド・ピケラス(BR) ボニファッチ・カリーロ(BS) (6)(7)(13)〜(15)アキレス・マチャード(T) (6)(7)(10)〜(12)(16)〜(18)ジャンルカ・ブラット(BS)