ミニ・レビュー
長い歴史を誇るヴァイオリンも、デビュー当時は大衆向けのお手軽楽器だった。それがいつしか弦楽器の主役となったのだが、この盤はその表現力と機能性、そして美しい音色といったスペックの発展を、それと連動した音楽とともに楽しもうという趣向。
ガイドコメント
バッハ以前の17世紀のドイツのヴァイオリン曲を集めた珍しいアルバム。演奏はバロック・ヴァイオリンの名手フェルナンデス。ドイツ語圏の宮廷におけるヴァイオリン音楽の変遷が一望できる。
収録曲
[Disc 1]〈ドレスデン宮廷の音楽〉
018声 (と通奏低音)によるソナタ (ポーレ)
02第39シンフォニア (レーヴェ)
03第48シンフォニア (レーヴェ)
04第3パヴァーナ (ファリーナ)
05第2ソナタ (フルヒハイム)
06常軌を逸したる奇想の曲〜リラ/軍楽笛/これもまたリラ/弓の木材部分で弦を叩いてみる/プレスト/アダージョ/小さなラッパ/クラリーノ (これもラッパ)/軍楽太鼓/めんどり/おんどり/小さな笛を、うんとしずかに〜うるさく/プレスト/アダージョ/寒さに凍える男/女兵士の笛吹き/ねこ/いぬ/スペインのギター/あとはひたすら、緩徐に... (ファリーナ)
076声 (と通奏低音)によるソナタ (ポーレ)
08組曲ト短調
〈ヴァイオリンとヴィオラ・ダ・ガンバ〉(ファリーナ)
09変奏つきアリア ト短調 (キューネル)
10カッコウの歌によるソナタ (アーベル)
11ソナタ ニ短調 (シュメルツァー)
[Disc 2]
01ヴァイオリン独奏と通奏低音のためのソナタ集〜第8ソナタ ニ短調 (ビーバー)
02ヴァイオリン独奏と通奏低音のためのソナタ集〜第6ソナタ ハ短調 (ビーバー)
03「ヴァイオリン独奏のための気紛れさまざま」〜第4ソナタ ト長調/第8ソナタ ハ長調/カッコウの歌による模倣曲ト長調 (ヴァルター)
04「竪琴の園」〜パッサカーリ ニ短調/組曲ヘ長調/アリア ト長調/組曲ト短調 (ヴァルター)
演奏
フランソワ・フェルナンデス(VN) リチェルカール・コンソート
録音
[1] (1)〜(9)89.1 [1] (10)(11) [2] (1)(2)90.5 [2] (3)(4)8