ガイドコメント
世界的な人気を誇るイギリスのロック・バンド、コールドプレイの4thアルバム。プロデューサーにブライアン・イーノを迎え、よりいっそう深みを増したサウンドが築かれている。壮大な世界観も健在だ。
収録曲
01LIFE IN TECHNICOLOR
「生と死」をテーマにしたアルバム『美しき生命』のオープニングを飾るインスト・ナンバー。キーボードからスタートし、オーガニックな弦楽器が入ったあとドラムが力強いリズムを刻みだす。まるで生命が吹き込まれるような展開を見せる壮大な一曲。
02CEMETERIES OF LONDON
メランコリックで哀愁さも感じさせるマイナー調のナンバー。ギターのカッティングを前面にフィーチャーしたラテン・ミュージックのリズムの上で、時には儚く、時にはエモーショナルにクリスが歌い上げる。
03LOST!
パーカッションの独特のリズムとファンタジックなキーボードがドリーミーな印象を与える一曲。立ち止まっているからといって諦めたわけではないと常に前を見据えた歌詞を、芯のある内なる力強さで歌う。今の地位で慢心しないという決意も込められている。
0442
ピアノとストリングス・サウンドに乗せて儚げに歌うパートから、ダイナミックなバンド・サウンドへと移行するミッド・ナンバー。“人って死んでも、ほんとは死なないんだよね 僕の頭の中で生きてる”という詞が生命というものを考えさせる。
05LOVERS IN JAPAN/REIGN OF LOVE
前半と後半でタイプの異なる、組曲的な構成がユニークな楽曲。前半は躍動感のあるピアノが清々しさを演出する、前向きでさわやかなロックだ。後半はピアノと弦楽器のトライバルな旋律が優しく響く、温かいサウンドで愛を歌うミッド・ナンバー。
06YES
『美しき生命』収録の「ラヴァーズ・イン・ジャパン」同様、前半と後半でタイプの異なる組曲的な構成がユニークな楽曲。前半はストリングスを効かせたほろ苦さのあるミッドで、後半では『美しき生命』のなかでも一番ストレートなロックを聴かせてくれる。
07VIVA LA VIDA
iTunesのCMソングとなった『美しき生命』のタイトル・ナンバー。クラシカルなストリングスが多用された壮大な一曲で、心臓が鼓動するように刻まれる力強いバスドラが心地よく響く。キリスト教のシンボルを使用した文学性のある詞も奥深い。
08VIOLET HILL
『美しき生命』のなかでは少し異質な、退廃的な哀愁を感じさせるミッド・スロー。ボトムを効かせたヘヴィでダークなサウンドがずっしりと響き、物悲しい歌詞と見事にマッチしている。曲に合わせるように、クリスも憂いを帯びた艶のある歌唱を披露している。
09STRAWBERRY SWING
軽やかなエスニック風味のギターが特徴のナンバー。繰り返される“きみがいなかったら、ただの時間の無駄だもの”というフレーズが印象的。手拍子から始まり手拍子で終わるオーガニックなサウンドには、リラックスした雰囲気が漂っている。
10DEATH AND ALL HIS FRIENDS
ピアノとギターの温かい前半から、ヴァイタリティあふれるダイナミックなバンド・サウンドへと展開しアウトロへと続く清々しい一曲。アウトロに『美しき生命』のオープニング・ナンバー「天然色の人生」の旋律を引用することで、ひとつの循環を想起させている。
11LOST?
『美しき生命』収録の「ロスト!」のピアノ・アレンジ版。ピアノだけの演奏によりしなやかな印象を与えている。クリスは穏やかさのなかに憂いを帯びたヴォーカルで、諦めたわけではないと自分に言い聞かせるように歌い上げる。