ミニ・レビュー
チェロを当時広く使われていたというやや小ぶりで機動性のある復元楽器に置き換え、各パート一人の最少編成にすることで響きの姿や関係がすっきりと耳に届く。演奏もソロを際立たせるよりは緊密にして明敏なアンサンブルで聴かせて直情のノリや描写とは一線を画す。印象新たなヴィヴァルディだ。
ガイドコメント
古楽器演奏家、S.クイケンによるヴィヴァルディ「四季」。肩掛けチェロとでもいった“ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ”を独奏楽器として用いている。ひと味違った「四季」の姿が浮かび上がる、興味深い一枚だ。
収録曲
ヴィヴァルディ:
01チェロ協奏曲ニ長調RV.403
02協奏曲集「四季」第1番ホ長調op.8-1「春」
03協奏曲集「四季」第2番ト短調op.8-2「夏」
04協奏曲集「四季」第3番ヘ長調op.8-3「秋」
05協奏曲集「四季」第4番ヘ短調op.8-4「冬」
06ソナタ ニ短調op.1-12「ラ・フォリア」
演奏
シギスヴァルト・クイケン(指揮,(1)ヴィオロンチェロ・ダ・スパラ,(5)VN) ラ・プティット・バンド