ミニ・レビュー
セルはクリアなクリーヴランド・サウンドをフル稼働させて、ワーグナーの重層性を鮮やかに立ち上げると同時に、各パートの均衡や関連性にも細部までしっかり目を配り、迫力とクールな知性を共存させた名演を実現している。録音年の違いのせいか、序曲&前奏曲の方が総じて重心が低く音圧も高い。
ガイドコメント
セルが60年代にクリーヴランド管と残したステレオによるワーグナー録音を集大成した2枚組。セルが編曲構成した独自の「指環」ハイライトなど、セルによる広く奥深いワーグナー・ワールドが広がる。
収録曲
ワーグナー:
[Disc 1]
01楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
02歌劇「タンホイザー」序曲
03歌劇「さまよえるオランダ人」序曲
04「ファウスト」序曲
05歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
06歌劇「リエンツィ」序曲
[Disc 2]〈楽劇「ニーベルングの指環」ハイライト〉
01楽劇「ラインの黄金」〜ワルハラ城への神々の入場
02楽劇「ワルキューレ」〜ワルキューレの騎行
03楽劇「ワルキューレ」〜魔の炎の音楽
04楽劇「ジークフリート」〜森のささやき
05楽劇「神々の黄昏」〜夜明けとジークフリートのラインへの旅
06楽劇「神々の黄昏」〜ジークフリートの葬送行進曲と終曲
07楽劇「トリスタンとイゾルデ」前奏曲と愛の死
録音
[1] (1)(2)62.1 (3)〜(6)65.12 [2] (1)〜(6)68.10 (7)62.1