ミニ・レビュー
6人組ガールズ・バンドのファースト・アルバム。タイアップの多さからも察せられるように、非常に聴きやすくキャッチャーな曲が連続し、スカの概念を吹き飛ばすパワーは素晴らしいの一言。女性ならではの繊細さも兼ね備えておりグッド。
ガイドコメント
中学3年生での結成から高校を卒業するまでの4年間を凝縮した、オレスカバンドの1stフル・アルバム。シングル「アーモンド」「爪先」をはじめ、「ピノキオ」「花のスカダンス」など初期の代表曲も網羅されている。
収録曲
01ピノキオ
思わず踊りだしたくなるような軽快なリズムとキャッチーでキレのあるホーンのフレーズが気持ちいい、ポップでクールな王道スカ・ナンバー。躍動感あるサウンドとキュートで伸びやかなヴォーカルとのコントラストが印象的。
02クーラーソサイエティ
アグレッシヴでパワフルなホーン・サウンドに胸が躍る、理屈抜きの痛快スカ・ポップ。とどまることを知らない勢いとフレッシュな魅力、そして音楽への情熱が、曲全体からひしひしと伝わってくる。誰も彼女たちを止められない!
03爪先
彼女たちの持つ熱いパッションを余すところなく炸裂させた、エモーショナルかつダイナミックなスカ・ナンバー。ポップさや話題性の陰に隠れがちな音楽センスや演奏力を、タイトなプレイの中から垣間見ることができる。
04花のスカダンス
タイトルどおり、花が咲いたように鮮やかなサウンドが気持ちいいスカ・ポップ。効果的に使われるクラップやエンディングのコーラス・ワークなど、アイディアや遊び心を詰め込んだアレンジも秀逸。彼女たちの音楽への愛を実感できる。
05川のぼり
ポップでキュートな普段の彼女たちの作品とは一味違った、ミディアム・テンポの聴かせるスカ・ナンバー。クールで大人っぽい雰囲気から、彼女たちの音楽的振幅の広さを痛感させられる。音・言葉・歌声が美しい結晶となって胸に響く。
06アーモンド
グルーヴィなサウンドにのせた等身大の飾らない詞や、しっとりと聴かせるヴォーカルが感動的なスカ・バラード。メロウかつほのぼのとしたサウンドから一転、躍動感と高揚感があふれるサビへの展開が見事にハマっている。
07忘れもの
眩しいほどのフレッシュさと弾けるようなグルーヴ感が魅力のポップ・ナンバー。ハードでビターなロックから突如として軽快なスカ・ポップへと、ジャンルの垣根をあざ笑うように飛び越えるアレンジは痛快そのもの。
08U
ディストーションの効いたギター・リフとエフェクトのかかったヴォーカルがクールなロック・ナンバー。キャッチーでメロディアスなサビや曲に彩りを与えるホーンなど、カッコよさの中にも持ち前のポップさやキュートさが健在。
09アスター
重厚なホーンのハーモニーが美しい、ミディアム・テンポのスカ・バラード。「とみ」と「いかす」の魅力と個性がぶつかり合うツイン・ヴォーカルは、キュートさの中に情念と艶っぽさとハスキーさが渾然一体となった美しきカオスだ。
10Shall we Dance?
重厚でいて軽快なキレ味の鋭いホーンのハーモニーがたまらない、アップ・テンポでポップなインストゥルメンタル・ナンバー。体が勝手に踊り出しそうなグルーヴ感が気持ちいい。曲後半で聴けるトランペットの高速タンギングが最高にクール!
11さよならデジャヴ
エモーショナルでパワフルなホーン・サウンドや、キュートでアンニュイなヴォーカルとのミスマッチ感がくせになりそうなポップ・ナンバー。切なげな歌詞とちょっぴり脱力系のコーラスも、不思議な調和をみせている。
12ナイフとフォーク
ロック・テイスト全開のギター・サウンドとホーンを中心としたポップでキャッチーなアレンジ。そしてハッピーを全身で表現しているかのようなキュートなヴォーカルが混ざり合った、まるで音のおもちゃ箱のような一曲だ。
13チャック
バリー・ホワイトの「愛のテーマ」を超高速にしたような雰囲気のイントロが、最高にゴキゲンなスカ・ポップ。キュートなヴォーカルやタイトな演奏、意外性のあるアレンジと、遊び心も聴かせどころも惜しむことなく詰め込んだ快作。