ソニック・ユース / ウォッシング・マシーン [再発][廃盤]

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CD
ミニ・レビュー
ダイナミックに突っ走る曲はほとんどない。ギターの繊細な音同士が接触して生まれた旋律と、リラックスした感じのリズムと歌で展開する、95年のアルバム。とにかく、音響芸術ともいえそうなギターの音の絡み合いは、ロック・ファン以外にも聴いてもらいたい。
ガイドコメント
疾走感が抑えられ、キム・ゴードンのヴォーカルによる曲をメインにぐっとシンプルで深みのあるサウンドに仕上がっている。メンフィス録音による95年作品。
収録曲
01BECUZ
タイトル、歌詞、メロディから、パティ・スミス「ビコーズ・ザ・ナイト」への敬意が伝わってくるキム歌唱のナンバー。鋭利でカオティックなサウンドがスリリングだが、ところどころにキャッチーなフックも用意してある。
02JUNKIE'S PROMISE
ソニックス真骨頂のフィードバック・ノイズが大炸裂したナンバー。彼らの登場に伴いスタイル化した巷のノイズとは一線を画す、濁流のごときノイズに大興奮。歌詞でカート・コバーンに言及しているとする説は、サーストンが否定。
03SAUCER - LIKE
トリプル・ギター編成による録音の醍醐味が味わえるリー・ラナルド歌唱のクールなナンバー。それぞれ自由に弾かれているようで、なぜか不思議にハモってはいる。催眠的だったり官能的だったり、リフの種類も三人十色。
04WASHING MACHINE
回る自分のハートを洗濯機にたとえた歌詞が面白い、キム歌唱のナンバー。トリプル・ギターでの録音だが、曲の途中でリー・ラナルドは別なギターを弾いているので、実質ギター4本による録音だ。後半の多重ギター・ノイズに悶絶。
05UNWIND
サーストンとリーが初デュエットを聴かせてくれるバラード・ナンバー。息の合ったソフトなハーモニーを聴かせる一方で、ふたりのギターは美しいインター・プレイを熱っぽく展開。予定調和に真っ向から対峙した展開だ。
06LITTLE TROUBLE GIRL
キムがブリーダーズのキム・ディールらと合唱する微笑ましいナンバー。ノイズらしきサウンドは皆無に等しい、世にも珍しき“歌モノ”ソニックス。通常ならば心温まるべき曲調だが、歌い手が歌い手ゆえ妙な気分に。
07NO QUEEN BLUES
ノイズ過多なストゥージズのような凶暴さが魅力のナンバー。一枚が二枚、二枚が四枚と増えるガマの油売りの口上のごとく、ギターの本数がどんどんと増すような錯覚に陥る音処理が壮絶。最後のシンバル連打も技ありだ。
08PANTY LIES
登場する“パンツを履かない”で周囲の関心を引く女性像に、“あなたのアイデンティティとは?”というメッセージを込めた、キム流フェミニズム・ナンバー。ザラザラとした感触のサウンドは、デモ音源のようであり、キム以外のメンバーは脇役に徹している感じだ。
09(BECUZ CODA)
10SKIP TRACER
リー・ラナルドのよどみないスポークン・ワードにゾクゾクとさせられるナンバー。歌詞の内容からカート・コバーンを連想する向きもあるようだが、実際に歌われているのは男女デュオ“メッカ・ノーマル”の思い出。
11THE DIAMOND SEA
サーストンの歌唱が主役の序盤を経て、ノイズの大海原へと船出する約20分の大曲。メロディの魅力と実験的なサウンドの違和感ない同居ぶりに、このスタイルの頂を見た思い。知性あふれるフリーク・アウト・ナンバーだ。
アーティスト
  • ソニック・ユース
    1981年デビュー。サーストン・ムーア(vo、g)とリー・ラナルド(g)、キム・ゴードン(b)によって結成。85年にドラムがスティーヴ・シェリーに固定。ニューヨーク地下ロックの流れを汲む、ノイジィでアヴァンギャルドなギター主体のサウンドが評……
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