ミニ・レビュー
ナチスに故国ポーランドを追われ、旧ソ連でショスタコーヴィチとの親交を得ながら多くの作品を遺したヴァインベルク。その晩年に連作された室内交響曲は、自らの来歴を辿るごとく過去の作品を組立て直し、曲ごとにその独自の音世界を凝縮結晶させた、いわば集大成。クレーメルのこだわり充填の熟演である。
ガイドコメント
クレーメルによる、ユダヤ系ポーランド人ヴァインベルク作品集の第2弾。室内交響曲全曲とピアノ五重奏曲をCD2枚に収めている。五重奏曲には、2010年の“ショパン・コンクール”を制したアヴデーエワが参加。
収録曲
ヴァインベルク:
[Disc 1]
01室内交響曲第3番op.151 (弦楽オーケストラのための)
02室内交響曲第2番op.147 (弦楽オーケストラとティンパニのための)
03室内交響曲第1番op.145 (弦楽オーケストラのための)
[Disc 2]
01ピアノ五重奏曲op.18 (アンドレイ・プシュカレフとギドン・クレーメルによるピアノと弦楽オーケストラとパーカッションのための編曲)
02室内交響曲第4番op.153 (クラリネット、トライアングルと弦楽オーケストラのための)
演奏
ギドン・クレーメル(VN) クレメラータ・バルティカ [1] (2) [2] アンドレイ・プシュカレフ(PERC) [2] (1)ユリアンナ・アヴデーエワ(P) (2)ミルガ・グラジニーテ=ティーラ指揮 マテ・ベカヴァック(CL)