ザ・ホワイト・ストライプス / ホワイト・ブラッド・セルズ

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ザ・ホワイト・ストライプス / ホワイト・ブラッド・セルズ
CD
ミニ・レビュー
よく歌の聴こえるCD。ときに痛々しく感じられるぐらいに。デトロイトに住む姉(ドラム)と弟(ギター、歌)による、がちんこデュオ・ユニット。曲作りとかはけっこう古臭い。ちょっと、ホールディング・カンパニー(ジャニス)っぽい所も。確信犯?
ガイドコメント
2002年最注目のロック・バンド、ついに日本デビュー。アメリカ出身の姉弟からなる2人組からロックされた本作は、UK、USと、またたく間にブレイク。その波がいよいよ我が国にも押し寄せる!
収録曲
01DEAD LEAVES AND THE DIRTY GROUND
少々古風な言いまわしで綴られた歌詞が、逆に作品としての個性を強めているラブ・ソング。ファズボックスで最大限に歪ませたギター・サウンドを使い、募る想いを狂おしく表現したガレージ・パンク・ブルース。
02HOTEL YORBA
アナログ・レコード原理主義者で知られる彼らが、通算8枚目にして初めてCDでリリースしたシングル曲。カントリーとポップスを織り交ぜた曲調にブルージィな苦味をひとさじ。何度でも聴きたくなるチャーミングな佳曲。
03I'M FINDING IT HARDER TO BE A GENTLEMAN
ヘヴィなギターと軽やかなピアノが同じリフを奏でることで、重いとも軽いともつかない不思議な空間が形成されているブルース・ナンバー。「紳士でいるのはつらいよ」と語られる歌詞に、ジャックの意外に古風な一面が!?
04FELL IN LOVE WITH A GIRL
ミシェル・ゴンドリーによる全編レゴを使ったアニメーションPVでも話題となったシングル曲。恋する衝動とロックの初期衝動を同化し爆裂させたガレージ・パンキッシュな曲調は、彼らが得意とする必殺パターンのひとつだ。
05EXPECTING
大なたを振り回すかのごときギター・リフが暴走する、ハイ・テンションのガレージ・ブルース。似たような言いまわしを繰り返す歌詞を、微妙に雰囲気を変えながら歌ってみせるジャック・ホワイトの芸達者ぶりが光る。
06LITTLE ROOM
ドスドス、シャンシャンと鳴り続けるドラムスだけをバックに、ジャックが淡々と歌う小品。1分の長さにも満たない簡素な曲だが、それでも立派なガレージ・ロック・ナンバーとして成立させてしまうセンスには恐れ入る。
07THE UNION FOREVER
「それが愛のはずはない、本当の愛なんてないのだから」と歌い上げるダークな雰囲気のナンバー。冒頭部はおろか歌詞のすべてが、オーソン・ウェルズの映画『市民ケーン』(1941年)のセリフの引用だと指摘された問題作。
08THE SAME BOY YOU'VE ALWAYS KNOWN
「僕は大人になっていない」と歌うイノセントな歌詞に、思わず“ライ麦畑でつかまえ”たくなってしまうメロディアスなナンバー。センチなメロディとは好対照な爆音ドラムは、早く大人になれと急き立てるかのよう。
09WE ARE GOING TO BE FRIENDS
ストライプスの曲中でたびたび描かれるのが学校生活。その学校を舞台にした歌詞に、こちらも彼らの作品ではおなじみの人物“スージー・リー”が登場。アコースティック・サウンドを基調にした美しいフォーク・ソングだ。
10OFFEND IN EVERY WAY
何をしても他人の感情を逆なでしてしまう主人公の苦悩が綴られた、ミディアム・テンポのナンバー。ガレージ側かブルース側かに針が振り切れていることの多い彼らだが、ここではその中間に位置するサウンドを披露。
11I THINK I SMELL A RAT
「ネズミの匂い、ネズミの匂い、なんだかネズミの匂いがする」と繰り返す歌詞が意味ありげな、ノワール風ロック・ナンバー。メランコリックでスパニッシュなムードのギター・リフが、楽曲を暴力的な皮膜で包んでみせる。
12ALUMINUM
エコー処理された「アァ〜〜ッ!!」の叫びをパートナーに、ヘヴィでメタリックな音で展開する即興的ナンバー。ヘヴィ・メタル一歩手前のこの曲に、あえて軽金属の名前を冠してみせるセンスがシャレている。
13I CAN'T WAIT
恋人が自分の元へと戻ってくるのを待ちきれないと歌う主人公。淡々とブルージィな曲調の中でヘヴィに爆裂するサビ・パート。その音像の落差で揺れる感情を絶妙に表現。重ねられたジャックの歌声は切実さも同時に表現。
14NOW MARY
冒頭5秒を聴いてスウィートなカントリー・ソングだと決めてかかると、直後に下されるのはヘヴィなギター・リフの鉄槌。レッド・ツェッペリンとカントリー・バンドが同じ曲を同時に演奏しているかのような軽重同居曲。
15I CAN LEARN
挫折すら通り越した哀切な感情で彩られたガレージ・ブルース。絶望のどん底へと突き落とさん勢いの重爆ドラミング、哀しみを携えてやって来るギター・リフ。これ以上は墜ちようのない場所で轟く、捨て鉢のラブ・ソングだ。
16THIS PROTECTOR
ピアノ伴奏によるジャックとメグのデュエット。ピアノがドライヴ感を増すのにつれ、ふたりの歌声も徐々に熱を帯びる。ギターやドラムの爆音に頼ることなく奏でられた、ストライプス流のゴスペル・ブルースだ。
17JOLENE
1974年にドリー・パートンがヒットさせ、その後、オリビア・ニュートン・ジョンのカヴァーでもヒットを記録したメランコリックなカントリー・ソング。原曲に忠実な曲調の上に、より劇的なアレンジを加えてのカヴァー。
18HAND SPRINGS
ジャックの大好きなボウリング場を舞台にしたトーキング・ガレージ・ブルース。力強いギター・リフと、強打し続けるドラミングが生み出すクールで暴力的なサウンドの合間に、ジャックのひとり語りが挿入される構成。
仕様
CDエクストラ内容:ホテル・ヨーバ (プロモーション・ヴィデオ)
アーティスト
  • ホワイト・ストライプス
    米国デトロイト出身のジャック・ホワイト(vo、g)とメグ・ホワイト(ds)が1997年に結成したユニット。1999年デビュー。2000年、2作目『デ・ステイル』、2001年にはメンフィス録音の3作目『ホワイト・ブラッド・セルズ』を発表。2人……
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https://www.cdjournal.com/main/cdjpush/tamagawa-daifuku/2000000812
https://www.cdjournal.com/main/special/showa_shonen/798/f
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