ミニ・レビュー
1作目でいきなり世界的評価をモノにした、オーストラリア出身の4人組のセカンド・アルバム。前作に比べ、一曲ごとの振れ幅はコンパクトにまとまり、軽快なギター・チューン〜アコースティック・ナンバーまで、気負いのない冒険心あふれるソングライティングが光る。
ガイドコメント
2002年のデビュー・アルバムが全米で驚異的なヒットを記録したザ・ヴァインズの2ndアルバム。抜群のメロディをエモーショナルな演奏に乗せた傑作だ。ライヴで披露した新曲も収録。
ガイドコメント
2002年のデビュー・アルバムが全米で驚異的なヒットを記録したザ・ヴァインズの2ndアルバム。抜群のメロディをエモーショナルな演奏に乗せた傑作だ。ライヴで披露した新曲も収録。
収録曲
01RIDE
クリーンなトーンで引っかかるように刻まれるギターから、徐々に盛り上がっていき、咆哮が爆発するロックンロール・チューン。ギター・サウンドが随所でサイケデリック調になると遠くの世界につれていかれそうになる。
02ANIMAL MACHINE
イントロから最初のコーラスのパートなど、不安感を演出したややダークな雰囲気のナンバー。しかし、中盤のコーラスではブリット・ポップの影響も見え隠れするなど、このバンドの引き出しの豊富さを見せてくれている。
03TV PRO
澄み切ったようなギター・サウンドと裏声を駆使した曲の出だしに美しい感覚を感じ始めたかと思うと、突如ハードに展開。そのパートが交互に登場することで、夢の中の世界を漂っているような錯覚に陥る。不思議な心地を感じさせる曲だ。
04AUTUMN SHADE 2
アコースティックをフィーチャーした短くも綺麗で穏やかな感覚をもった曲。コーラスのパートがこの曲に得も言われぬ美しさを際立たせている。エンディングの鳥の鳴き声に絡むギターの音が、儚く消えていくさまも美しい。
05EVIL TOWN
ミドル・テンポの曲でノイジーなギターも聴けるが、このタイプの曲にしてはヴォーカルが比較的抑えめになっているのが珍しい。しかし、バックで鳴る音が半音で揺れ動くことにより、全体に邪悪で不安定なヴァイブをもたらしている。
06WINNING DAYS
アコースティック・ギターをつま弾きながら優しく歌われる出だしから、全体的にソフトでポップな感覚をもつ、シングル盤でもリリースされた曲。ストーンローゼズを意識して作られた曲だが、ラストではビーチ・ボーイズらしいコーラスも聴ける。
07SHE'S GOT SOMETHING TO SAY TO ME
イントロでギターが炸裂するが、歌が始まる途端に60年代のサーフィン・ミュージックの影響を色濃く感じさせる世界に染まっていく。しかし、60年代の単なるコピーに終わっていないのは、曲の随所で絡んでくるノイジーなギターによる。
08RAINFALL
アコースティックとエレキ・ギターの使い方がギター・ポップ・バンド好きにはたまらないミドル・テンポのナンバー。素朴ながらもピュアな感覚をもったこの曲は、いつの時代をも超える不変の美しさをもっている。
09AMNESIA
ゆったりしたドラムのビートに導かれて始まるこの曲には、遠い宇宙へと漂っていくような感覚を聴く者に与えてくれる。ヴォーカルもギターも抑制されたサウンドで展開されているのが、雰囲気を良く演出している。
10SUN CHILD
1stアルバムのボーナス・トラックにデモ音源として収録されていたバラード曲。デモ音源ではビートルズを彷彿とさせる雰囲気だったが、ここでは東洋のメロディを感じさせるギター・ソロが曲に新たな色どりを加えている。
11F.T.W.
随所で絶叫が炸裂し、「世界をぶち壊せ!」と繰り返し歌われるハードなナンバー。未来を見据えた環境問題を採り上げた曲だが、ソロとエンディングでのギターのノイジーさが、この曲をより刹那的に響かせている。
12DROWN THE BAPTISTS
30秒の空白後に始まる、アコースティックとバンド・サウンドを絡めたスローなナンバー。このバンドの魅力の一つである美しいコーラス・ワークが光る曲で、カントリー・サウンドのフレイヴァーを色濃く押し出している、彼らには珍しい曲。