ガイドコメント
藤井フミヤと同じ1960年代生まれの屋敷豪太、佐橋佳幸、有賀啓雄、斎藤有太が結成したRAWGUNSを迎えたアルバム。本格的なバンド・サウンドと、大人のロマンティシズムあふれる世界が堪能できる。ドラマ主題歌である「下北以上 原宿未満」も収録。
収録曲
01トワイライト
スウィング・ジャズにストリングスが重なったアダルトなナンバー。それに対して「夢の中でいいから 君の笑顔にうずもれ眠りたい」と詞には少年っぽさを残しているのがフミヤ流。彼の独特の歌唱がよく映えた、胸がキュンとなる耳なじみのいい作品だ。
02同じ雨
もう終わったはずなのに雨のせいで思い出してしまった彼女への愛……。そんな切ない心の内を描いた、情感豊かなミディアム・ナンバー。ヴォーカリストとしての藤井フミヤの魅力を引き出している、層の厚いバンド・サウンドにゾクゾクさせられる。
03下北以上 原宿未満
フォーク・テイストも盛り込んだ、懐かしさがかえって新鮮なポップ・ソング。恋をし始めた頃に経験したであろうプラトニックなストーリーを描いた詞が愛らしい。サビの「ラララ下北以上〜」の思わず口ずさみたくなるキャッチーなフレーズもグッド。
04財布なんてからっぽだった
お金がなくても夢にあふれ、愛がすべてだった若かりし頃の思いと、お金は手に入れたけれど社会に縛られている感覚の今。昔を懐かしみながら今を生き抜くことをポジティヴに綴った、アメリカン・テイストのシンプルなロック・ナンバー。
05FUNKY MONEY
ホーン・アレンジがカッコいい、文字どおりのファンキー・サウンド。しかし、詞は賄賂や株、税金問題などで揺れる世の中の黒い部分を「誰かがしくじって 誰かが地獄行き」と皮肉ったもの。キツイ詞をサラリと歌ってしまうところはさすが!
06IN THE BED
一夜の恋かこの先も続く恋かはふたり次第……。大人の恋のかけひきをエロティックに綴ったナンバー。R&Bテイストのダークなサウンドに、思わず引き込まれるようなアダルトな男の香りがたっぷりのフミヤのヴォーカルが見事にマッチしている。
07Very Berry Flavor
女性目線で描かれたなまめかしいラブ・ソングで、フミヤのヴォーカルがまた妙に色っぽい。詞にはタイトルの「Berry」にかけて、ストロベリーやブルーベリーなどの句が出てきて一見可愛らしいけれど、実はかなりきわどくそそられる内容だ。
08大切な人へ
藤井フミヤの真骨頂ともいえる、深みのある美しいバラード。「大切な あの人へ この詩を 贈りたい」というストレートなフレーズが、素直に心に響く。ピアノをベースとしたサウンドに、ストリングスが優雅に映えるのも美しい。
09Endless Snow
弦楽器と重なる“トゥルルトゥルル”のコーラスから始まる、ロマンティックなバラード。愁いを誘う切なさあふれる展開で、フミヤならではの美しいファルセットを存分に活かした、聴きごたえ満点のラブ・ソングだ。
10いたずらな天使
連弾のピアノとサックスの音色が、哀愁を漂わせながらも温かさをも感じさせるミディアム・ナンバー。心に痛みや悲しみを抱いている時、誰かにただそばにいてほしい……と、詞では素直な気持ちを表現している。雪に包まれた夜などに聴きたい1曲。
11Some kind of Love Song
アーティスト&プロデューサーとして名高い、屋敷豪太の作詞・作曲による、素朴で素直なラブ・ソング。優しいアコースティック・ギターとピアノが奏でるサウンドに、温かいフミヤのヴォーカルが絶妙なバランスで絡み、穏やかな気持ちにさせてくれる。
12Everlasting Time
満天の美しい星空の下を、オープンカーで大好きな人とドライヴしながら聴きたい楽曲。ふたりの時間は“Everlasting=永遠”という胸キュンのラブ・ソング。「時の中の今でさえ 4小節前の過去になるよ」のフレーズには、心を射抜かれてしまう。
13Be with you
恋人や家族や仲間に、広く大きな愛情を示したハッピー・ソング。ゆったりとしたストリングス&サックスの音色が、温かいサウンドを展開し、伸びやかに歌い上げるフミヤのヴォーカルが良く映えているミディアム・ナンバー。
14平凡な雲
山弦・佐橋佳幸のアコースティック・ギターのみの演奏による美しいバラード。素直な心を持った少年の頃の思い出と心象風景をシンクロさせた、ノスタルジックな一曲。無邪気だった少年・少女時代を思い起こさせてくれるナンバーだ。