ガイドコメント
アンダーグラフのメジャー1stアルバム。大ヒットしたメジャー第1弾シングル「ツバサ」と続くシングル「君の声」のほか、ライヴでもおなじみのインディーズ時代の名曲「hana-bira」の新録ヴァージョンも収録。
収録曲
010 (instrumental)
アナログチックな作りに温かみを感じる、インストゥルメンタル・ナンバー。アコースティック・ギターを爪弾くその手触りまでがしっかりと伝わるサウンド・プロデュースが抜群で、すぐ真横で鳴っているかのような錯覚に陥ってしまうほどの臨場感だ。
02パーソナルワールド
エッジの効いたカッティング・ギターを軸にしながら、決して温もりを失わないのがアンダーグラフらしい。単調なリズムのなかでもメッセージをしっかり伝える情熱を携えた、説得力にあふれた詞が魅力的なナンバーだ。
03ツバサ
鋭いギター、独創性あふれるドラム、安定したベース・プレイ、そしてどこまでも誠実なヴォーカル。メジャー第1弾シングルは、インディーズ時代に積み上げたものが惜しみなく詰め込まれた、充実の出来栄えのナンバーだ。
04アンブレラ
真戸原直人の優しさが全開となったヴォーカルが特徴的なナンバー。懇願するようなどこか切なさを感じさせるヴォーカルとともに奏でられるメロディには、胸を締め付けるものがある。独特な音を響かせるギター・ソロも聴きどころだ。
05白い雨
一見、弾むように軽快でいて、どこか薄暗い空気で覆われているような世界観が漂う、アンダーグラフならではのサウンド。ヴォーカルをしっかり際立たせたポップなナンバーながら、バンドとしての実力も随所にうかがえる、実力派の作品だ。
06ヌケガラカラダ
往年のオルタナティヴ・ロック・サウンドを彷彿とさせるギター・リフが印象的なナンバー。シンプルな構成のなかにもグッと人を引き込んでは離さない魅力は、バンドの真剣さが生み出すマジックともいえる。
07hana-bira
大人しく繊細なギターと素朴で頼りないようなヴォーカルがノスタルジックに描くのは、時が過ぎることへの喪失感。徐々に演奏が盛り上がっていく展開は、若さならではのエネルギーの放出が感じられる、爽快さあふれるナンバーだ。
08シュノーケル
情熱的でドラマティックな世界を作り上げるギタリスト、阿佐亮介のテクニックと独創性が光るナンバー。もちろん、阿佐のギターばかりが突出している訳ではなく、メンバーもそれに添うように力を発揮し、絶妙なバンド・アンサンブルを聴かせてくれる。
09忘却の末、海へ還る。
どっしりと安定した演奏を聴かせるリズム隊と、それとは対照的に曖昧模糊としたヴォーカルとの掛け合わせが面白い。彼ら独自の世界観をサウンドとヴォーカルの双方の面での演出に成功した、彼らのバンド・マジックが堪能できるナンバー。
10四季 (Album Version)
幻想的なギターではじまるが、そこに広がるのは現実に鋭くメスを入れたシリアスな世界。暗さが漂うような状況のなか、どこまでもポップな演奏を貫くのが彼ら流。聴いた後には希望に包まれるような感覚さえ宿るナンバー。
11君の声
ダイナミックなギター・リフと渦巻くようなシンセサイザーで幕を開ける感動的なナンバー。自問自答を繰り返しながら、サビで感情を爆発させるヴォーカルの必死さと真摯さは、万人の胸を打つ魅力があるだろう。
12ハロー ハロー
アコースティック調にまとめられたアレンジが出色の、心温まるナンバー。和やかな空気に包まれて歌われるのは、幼少期を思い起こさせる無邪気な言葉たち。普段とは違った、ふと肩の抜けたアンダーグラフ・サウンドもまた良いものではないかと思わせる魅力がある。