ミニ・レビュー
au Smart SportsのCMソングとしてヒットした「LIFE」を含む初のフル・アルバム。二人が出会い、今も活動の拠点にしている逗子海岸(神奈川県)の地名をそのままタイトルにした。レゲエやボサ・ノヴァ、ロックなどあらゆるジャンルをミックスした新しいJ-POPを確立した一枚。
ガイドコメント
2人組の音楽ユニット、キマグレンの1stアルバム。人気シングル曲「LIFE」「あえないウタ」などを収めた強力盤で、ヴァラエティに富んだアレンジやメロディが堪能できる。
収録曲
01恋がよんでる
軽快なギターと派手やかなホーンがラテン・フレイヴァーを醸し出すアッパー・チューン。夏の到来とともに感じ始める胸騒ぎやときめきを、爽やかに歌っている。May.Jがバックでセクシーなコーラスを披露している。
02LIFE
インディ時代の楽曲をヴォーカル再録した2ndシングル。切なさを醸し出して進む軽快なラップ風ヴァースから一転し、メロディアスで爽快なサビへの展開が秀逸。本当の自分に恐れず生きていこうというメッセージ・ソングだ。
03あえないウタ
メジャー・デビュー・シングル曲。再び会えると信じながらも会えない現実に揺れる恋心を綴ったラヴ・バラード。爪弾かれるギターが印象的なミディアム・スローの曲の上で、“シャラ、シャラランラ”のコーラスが切なく響く。
04ハナレテワカルコト
うるさく感じた存在も、大人になり離れてみてその偉大さに気づいたという、親への感謝のメッセージを綴ったナンバー。しみじみとする内容だが、サウンドは彼らの持ち味である身軽さを活かした軽快なリズムでまとめあげている。
05白の日記
隠し切れない“スキのキモチ”を冬を舞台に綴ったラヴ・ソング。ハーモニカやハートフルなバック・ヴォーカルが、この曲にいっそう温もりを与えている。“チュルッチュチュ……”のコーラス・フェイド・アウトもキュート。
06月光浴
彼らの地元である逗子海岸で月光を浴びながら踊る少女についてスケッチした、ファンタジックなミッド・スロー・ナンバー。素朴なパーカッションや情熱的な日本語詞パートと哀愁漂う英詞パートの対比に、趣が感じられる。
07リセットボタン
疾走するギターとパーカッションが効果的なアッパー・チューン。うまくいかない現実に人生のリセットボタンを求めたくなるけれど、逃げることをやめて困難を楽しみ、乗り越えていこうと説くメッセージ・ソング。
08約束の丘
人生に疲れたときはそれを癒せる場所へ帰ればいいと諭してくれる、ハートウォームなギターが優しく包み込むスロー・ナンバー。キマグレンにとっては海が見える約束の丘が帰る場所……という郷土愛にもあふれた曲だ。
09P.S.
大人になる過程で、変わらずに持ち続けることと変わらなければならないこと。双方の大切さを歌ったミディアム・ナンバー。タイトルは“追伸”と“ピーターパン・シンドローム”のダブル・ミーニングとなっている。
10想い思い
ニューカッスルを舞台にした青春映画『ブルー・ブルー・ブルー』イメージ・ソング。サーフィンに明け暮れる主人公を描いた映画にピッタリな、カリビアン・サウンドと青春時代の甘酸っぱさを歌った詞が、清涼感とほろ苦さを与えてくれる。
116色の虹
美しい海の夕暮れの景色を想起させるような、風情あふれるミディアム・スロー・ナンバー。虹が7色でなく6色なのは、あとちょっとの一歩(=1色)で求める虹になるのだから頑張れ、という彼らなりのメッセージかもしれない。
12ダメ男
リラックスした調子で軽やかに奏でるコミカルなナンバー。風の音でもわかるように、逗子海岸での一発録音もの。タイトルや内容に合わせたようなラフで気まぐれに歌う姿には、彼らの素性と微笑ましさが感じられる。
13LIFE (Smart Sports ver.) (STUDIO APARTMENT Remix)
au「Smart Sports」CM曲のフル・ヴァージョンとなる、STUDIO APARTMENTによるリミックス。連なるピアノの旋律と打ち込みビートにより、清涼感に洗練さを加えた都会的なサウンドへと昇華させている。
14Love Call (Kimagure Short Edit) (RYTHEM with キマグレン)
アルバム『ZUSHI』にボーナス・トラック収録された、キマグレンがコラボしたRYTHEMの16thシングルのショート・ヴァージョン。すれ違う男女の感情を、ラップと歌でそれぞれの立場から爽やかに綴っている。