ミニ・レビュー
ドドッと出たボブ・ディランの過去の作品。とにかく「ブロンド・オン・ブロンド」(1枚のCDに入ってしまった)がCD化されたことは、これは『サージェント・ペパーズ』のときと同じかそれ以上のトピックだ。ディランのファンを自認する人なら、その「ブロンド・オン・ブロンド」はもちろん「ジョン・ウェズリー・ハーディング」「ブリンギング~」も同時に手に入れたいという欲求をおさえることは難しいだろう。編集アルバムの「グレーテスト・ヒット第1集・第2集」も素晴らしい内容で、オリジナル作品とはまた別の良さをもっているし、ザ・バンドと共演した'74年のライヴ「偉大なる生活」やソフトなカントリー・ロックを聴かせる「ナッシュビル・スカイライン」(32DP373の再発)も無視することはできない。これらのCDを聴きながら思うのは、'60年代後期のロックがいかにはつらつと創造に取り組んでいたかということだ。ここには“フォーク・ロック”という当時の新しいスタイルがあると同時に、いまも色焦せることのないロックのヴィジョンがある。