ミニ・レビュー
キーボード奏者・日向敏文が'85年8月に発表したアルバム『サラの犯罪』、そして今回の2ndアルバム『夏の猫』ともに、魅力的な女性の影が浮かんでくるインストゥルメンタル・サウンドなのです。アルバム全体に、正体不明の女性を気にかけている男の旅といったものがあるように思えてくるのです。映画の名場面のバックに流れていたのではないか。曲を聞いているうちに、いくつかの映画のシーンが逆に浮かんでくる。けだるさを楽しめる精神のゆとりを持ったひと向きの音楽でしょう。ヨーロッパのデカダンの香りと、ヨーロッパ人から見たエキゾティズムなどがあったりもする。物語をいくつも含んだインストゥルメンタルだといえます。
収録曲
01サラズ・クライム
02ミッドサマー・ナイト
03プレモニション
04ボードウォーク
05サラ〔1.アダージョ 2.ロンド 3.メヌエット〕
06ペイヴメント
07メモリーズ
08シャコンヌ
09ペンティモント