ミニ・レビュー
オリジナル・ラヴの、夏向きの曲を集めたアルバム。涼し気に寄せては返す波の音でスタートするが、全体的にはどちらかというと爽やかで涼しい夏というより、灼熱の中、燃えるような恋をしようといった、暑さ満喫の夏のイメージ。けっこう、セクシー。
収録曲
01ディーパー (イントロ)
02スクランブル
03スリーピン・ビューティ
94年6月にリリースのアルバム『風の歌を聴け』、さらに95年7月にリリース『Summer Love』にも収録のさわやかなポップ・ナンバー。寄せては返す波の音、小粋に刻まれるギター・カッティング、そして田島のセクシーなヴォーカルが合わさり、夏の魅力満載の一曲に仕上がっている。楽しく美しくも、どこか寂しく切ない夏を表現。
04スウェット・アンド・シュガー・ナイト
“日本選曲家協会・会長”桑原茂一が選曲した、夏向けのコンセプト・アルバム『Summer Love』に収録されたメロウでセクシーなナンバー。オリジナルは91年にリリースされた『LOVE! LOVE!&LOVE!』に収められている。夕暮れ時、静かな波打ち際が似合いそうな涼しげでセクシーな一曲。
05灼熱ザ・ボディ・フォー・サンシャイン
ファンキーかつジャジィなベースからスタート。トリッキーなメロディ、超絶テクを駆使したバック・トラック、赤道直下を思わせるイメージが満載のサマー・ナンバーだ。桑原茂一が選曲した、夏向けのコンセプト・アルバム『Summer Love』にも収録。
06時差を駆ける想い
異国の旅先で、愛する女性を思い出す男の心情を切々と歌ったメロウなナンバーかと思いきや、曲は一転灼熱のサンバ調へ。「愛する人は地球の裏〜」という歌詞はこの前フリだったか。常夏&灼熱のブラジルの風景があたりを包む、夏にピッタリのナンバーだ。山本拓夫が奏でる涼しげなフルートとの対比が見事。
07ウィズアウト・ユー
才人・田島貴男が表現するORIGINAL LOVE風レゲエ・サウンド。ジャマイカンな香りが満載の、夏向けナンバーだ。95年にリリースした、夏ナンバーを集めた企画盤『Summer Love』にもしっかり収録。けだるくも力強いヴォーカルが、熱く焼けるような夏の一瞬を見事に切り取っている。
08愛のサーキット
ハードなディストーション・ギターが聴きどころのバリバリのスラッシュ・ナンバー。ささやくような、語りかけるようなヴォーカルもこれまた魅力。どこかトニー・ジョー・ホワイト風のファンク感覚も見え隠れする、オトナのオトコのための熱い一曲だ。熱くただれるような灼熱を表現した一曲。
09二つの手のように
エレクトリック・ピアノによる綺麗なコード・ワークと、美しいメロディが印象的なメロディアスなナンバー。過ぎ去った夏の、忘れられない一瞬を歌った少し切ない一曲。サビで聴かせるコーラスがたまらなく気持ち良い。夏の夕暮れ、打ち寄せる波打ち際で見る夕日が浮かんできそうだ。
10ディーパー
11フレンズ
16ビートのファンキーなビートが気持ちいい、メロディアスなポップ・ナンバー。リズミックに低音を支えるベース・ラインと、細かく正確に刻まれるカッティング・ギター。田島貴男の優しく美しいヴォーカル、これらが一体に絡み合った珠玉の一曲だ。大切な相手に向けて歌われる真摯なメッセージが胸に突き刺さる。
12心 (アルバム・ミックス)
94年リリースのアルバム『風の歌を聴け』や、桑原茂一が選曲した95年にリリースの夏向けコンセプト・アルバム『Summer Love』のラストに収録されたナンバー。ボサ・ノヴァ風のアレンジに、波の音をミックスして涼しげな夏を表現。優しく美しい、メロウな魅力が満載のおしゃれな曲だ。過ぎ行く夏、終わりゆく夏、楽しくもどこか物悲しい思いにさせられる。