ガイドコメント
あまりの素晴らしさに全曲をシングル化する計画もあったほどの捨て曲なしの2作目。ライヴでは観客の大合唱が発生するほど、覚えやすくて歌いたくなる名曲がズラリ。
収録曲
01HELLO
新メンバーのアラン・ホワイトによるパワフルな暴れ太鼓が頼もしい王道ギター・ロック。普通のバンドが演じれば、きっと何ということなく聴こえそうな曲調だが、リアムの自信満々な歌唱が個性あふれるオアシス節にしている。
02ROLL WITH IT
“当時のライバル”ブラーとのシングル売上げ対決でも注目を集めた曲。誰にも邪魔させない、道の真ん中を堂々と行くぜ、とオレ様宣言満載の歌詞を、転げたような凸凹ノリでもって歌い倒すシンガロング・ナンバー。
03WONDERWALL
イギリスで最も偉大なバンドの一つであるオアシスの地位を決定付けたアルバム『モーニング・グローリー』のリード曲。誰も自分に共感しないという孤独を抱き、自分を救ってくれるかもしれない相手に叫ぶ痛みが美しい。
04DON'T LOOK BACK IN ANGER
初のノエルによるA面シングルにして、全英1位曲。ライヴでサビをオーディエンスにゆだねる大合唱必至の一曲で、ショーのクライマックスを感じさせる雄大で開放感あふれるギターとヴォーカルが感動的。
05HEY NOW!
「さて有名にはなったけれども」と、予想外のスピードで成り上がった自分たちに向けたかのような不安とアドバイス混じりの歌詞。が、全編パワフルな8ビート・サウンドのため、そうしたデリケートな魅力は隠れがち。
06
アルバム『モーニング・グローリー』でインタールード的役割を担っているインスト。のちに発表された音源から、彼らの師匠であるポール・ウェラーも参加した「ザ・スワンプ・ソング」の冒頭部分であることが判明する。
07SOME MIGHT SAY
気分爽快なコード・ストロークにフック満載のメロディ、ポジティヴな歌詞にヘタウマなギター・ソロ。直後に登場するJ-POPなる新種音楽のお手本となった一曲がこれだ。終始一貫エモーショナルな、初期オアシスの代表曲。
08CAST NO SHADOW
魂を売り、プライドを盗まれ、影さえ奪われたアイツと歌われているのは、このときドラッグ中毒だったリチャード・アシュクロフト(ザ・ヴァーヴ)。この哀切な曲の想いが届いたのか、のちにリチャードは見事復活。
09SHE'S ELECTRIC
デビュー作『オアシス』での「ディグジーズ・ダイナー」に通じる曲調の軽妙なラブ・ソング。ノエルは私生活が順調なときほどこうしたポップ・ソングを書く傾向があるようだが、いかんせんその数は少ない……。
10MORNING GLORY
ラウドなバンド・サウンドで厚塗りされてはいるが、曲の構造はいたってシンプルな王道オアシス節。「予期せぬチャンスに期待するな、行動しろ」との歌詞は、毎日くすぶり続ける“待ち組”への励まし……ではない。
11
『モーニング・グローリー』でインタールード役を担っているインスト曲その2。「ザ・スワンプ・ソング」の終盤部分を使った音源だが、「シャンペン・スーパーノヴァ」との繋ぎを自然にすべく新たに波の音がかぶせてある。
12CHAMPAGNE SUPERNOVA
“師匠”ポール・ウェラーがギターとバック・ヴォーカルで参加したドラマティックな大曲。酒びたりロックンロール人生に呑まれまいとする決意表明にも解釈可能な歌詞が感動的。だが、今ではノエルも酒びたり。嗚呼……。