ガイドコメント
ブルーハーツ衝撃の解散から4ヵ月後に発表された、ハイロウズのデビュー・アルバム。厚みを増したサウンドや意味がありそうでなさそうな歌詞など、ブルーハーツのスタイルから大きく変貌を遂げた衝撃の作品。
ミニ・レビュー
ウワサのバンドのデビュー・アルバム。ヒロト&マーシーの「今やりたいこと」をそのままパックした、ガッツな仕上がりになっている。コンピュータもサンプリングもブルハも知ったこっちゃねえ「オレらのロック」を貫き通そうとする意志がオトコらしい。
収録曲
01グッドバイ
1stアルバム『ザ・ハイロウズ』のオープニング曲。ストレートにさよならを告げるロック・ナンバーで、解散間もないブルーハーツに対する歌と理解する向きも多い。1stの冒頭に収録すること自体がユニークかつ皮肉。
02ママミルク
印象的なドラム・フレーズで始まるブルース基調のロック・ナンバー。“ママミルク”“マママルク”“ママコルク”と、ひたすら言葉遊びを展開。ブルース・ハープやピアノの奔放なプレイが随所にちりばめられている。
03ミサイルマン
1stシングルとしてリリースされた軽快なロック・ナンバー。不可解だが不思議と笑えてしまうユニークな歌詞と、キャッチーなギター・フレーズをはじめとする勢いに満ちたサウンドが特徴的。ライヴ人気の高い1曲。
04BGM
極上ポップ・ロック・ナンバー。言葉遊び的な要素の強い歌詞やBメロの妙なファルセット、リズム隊が一体となって生み出す楽しげなグルーヴなど、幸福感に満ちている。人生を楽しむことを音で表現しているかのような曲。
05ジュー・ジュー
自由な人生を謳歌する明るいロック・ナンバー。一際自由奔放なマーシーのギター・ソロやテンポ・アップするエンディングなど、ハッピーな雰囲気に満ちあふれた1曲。ゆえにタイトルが“自由・自由”だとわかる。
06ツイスト
軽快なシャッフル・ビートが心地良いロックンロール・チューン。往年のアメリカン・ロックを彷彿とさせるディレイがかったヴォーカルやマーシーの表情豊かなギター・ソロなど、ゴキゲンこの上ないサウンドを満喫できる。
07スーパーソニックジェットボーイ
ストーンズ風ミディアム・ロック・ナンバー。“悩みなんかない”“楽しけりゃいい”と高らかに歌い上げる極めてポジティヴな歌。「ミサイルマン」同様、明らかに深い意味のないイメージ先行のタイトルがユニークだ。
08なまけ大臣
タイトル通り、徹底的な怠慢を主張するロック・ナンバー。ヒョロヒョロとしたオルガンやテンポ・ダウンするブリッジ部分での“ゴロゴロ〜”というやる気のない節回しなど、いかにもだらしない雰囲気がよく出ている。
09ヤ・バンバ
攻撃的なロック・ナンバー。“経験よりもスピードとパワー”“うるせえババア”といった歌詞や、激しく上昇するギター・ソロなど、若者の怒りを代弁しているかのような1曲。サビにほのかなロス・ロボスの匂いがする。
10ビッグ・マシン
ブルーハーツ時代にはなかったエロティックな歌詞を特徴とするシャッフル基調のブルース・ロック。バンド全体で奏でるユニゾン・フレーズやエンディングの“ウィーウォーワーウォー”など、サウンド面でも楽しませる。
11バナナボートに銀の月
アルバム『ザ・ハイロウズ』中、唯一のマーシーのヴォーカル曲。パンキッシュなダミ声で吐き捨てるように歌う歌唱スタイルやシンプルなコード進行、意味深な歌詞など、ブルーハーツ時代から続くマーシーらしい1曲。
12日曜日よりの使者
1stアルバム『ザ・ハイロウズ』のラストを飾るミディアム・ナンバー。ペンタトニック・スケールを基調とした親しみやすいメロディが魅力。本田技研のCMソングとしても広く知られ、ハイロウズの代表曲となっている。