ミニ・レビュー
カラヤンがウィーンpoを振ったとき、ベルリンとは異なった艶やかな表情が音楽に加わる。56年からウィーン国立歌劇場の芸術監督に就任してからの約10年間は、まさに黄金時代。録音された曲目は彼らがもっとも得意とするものばかり。ドヴォルザークの8番やR.シュトラウスにブラームス、ハイドンなど、カラヤン自身にとっても最高の演奏だったのではないか。チャイコのバレエ組曲での語り口の巧さといったら…。「ジゼル」は他に録音がないだけに貴重。バレエの添え物を超えたシンフォニックな演奏だ。
収録曲
[Disc 1]
01交響曲第1番ハ短調op.68 (ブラームス)
02同第103番変ホ長調「太鼓連打」 (ハイドン)
[Disc 2]
01同第104番ニ長調「ロンドン」 (同)
02悲劇的序曲op.81 (ブラームス)
03交響曲第3番ヘ長調op.90 (同)
[Disc 3]
01同第40番ト短調K.550 (モーツァルト)
02同第41番ハ長調K.551「ジュピター」 (同)
03幻想序曲「ロメオとジュリエット」 (チャイコフスキー)
[Disc 4]
01交響曲第7番イ長調op.92 (ベートーヴェン)
02同第8番ト長調op.88 (ドヴォルザーク)
[Disc 5]
01組曲「白鳥の湖」 (チャイコフスキー)
02同「くるみ割り人形」 (同)
03同「眠りの森の美女」 (同)
[Disc 6]バレエ音楽「ジゼル」(アダン)
[Disc 7]
01「ペール・ギュント」の音楽op.23 (グリーグ)
02組曲「惑星」op.32 (ホルスト)
[Disc 8]
01喜歌劇「こうもり」序曲 (J.シュトラウス2世)
02同〜バレエ音楽 (同)
03アンネン・ポルカop.117 (同)
04ワルツ「うわごと」op.212 (ヨゼフ・シュトラウス)
05喜歌劇「ジプシー男爵」序曲 (J.シュトラウス2世)
06ポルカ「狩り」op.373 (同)
07ワルツ「ウィーンの森の物語」op.325 (同)
08交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」op.28 (R.シュトラウス)
09楽劇「サロメ」〜7つのヴェールの踊り (同)
[Disc 9]
01交響詩「ドン・ファン」op.20 (同)
02同「死と変容」op.24 (同)
03同「ツァラトゥストラはかく語りき」op.30 (同)
演奏
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団