ミニ・レビュー
東京・本所生まれだけに気持ちのよい口調で、ちょいと品のよい愛嬌がある語り口の三代目金馬の全盛期の高座(昭和30年代前半)を収録したライヴ・シリーズがこれ。[1]では長めのマクラで語るその昔の商売人の口上だけでもひとつの噺である。[4]のサザエの壺焼き風の「茶の湯」は隠居と定吉のやり取りが絶妙で、これに始まる引っ越し騒動がとにかくおかしい。知ったかぶりの噺[2]の「転失気」と[7]の「やかん」は、嫌味のない語り口調で「やかん」では金馬自身のやかん頭まで引き合いに出す。30年代という時代を感じさせるオネスト・ジョンを振る「二十四孝」。[8]-(1)~(3)は時が移り今では分かりづらくなった噺だが、じっくりと聴かせる。