ミニ・レビュー
日本のオルタナ・シーンを精力的に引っ張るハイスタによる待望のニュー・アルバム。ハードコアでありながら非常にメロディック、ポップ&キャッチーと3拍子そろった気合いの1枚が完成してます。全開なる夏に向けて大スイセン盤。ライヴ体験も必須!!
収録曲
01START TODAY
アルバム『ANGRY FIST』のオープニングを飾るメロコア・ナンバー。スラッシュ・メタル顔負けの超高速リズムと叙情的な旋律が魅力。1分強という曲の短さも手伝ってか、1曲まるごとがサビのように聴こえる。
02ENDLESS TRIP
極めてポップなギター・フレーズで始まるミディアム・ロック・チューン。ツアー中の移動時の車内のことを歌っていて、未来に向かって自らを鼓舞する力強い意志が綴られる。洗練されたコーラスによる爽やかなサビが印象的。
03FIGHTING FISTS、ANGRY SOUL
軽快な8ビートのポップ・ロック・ナンバー。“戦う拳”と“怒れる魂”を忘れるなと歌うアグレッシヴなメッセージ・ソング。キャッチーなことこの上ないメロディとシンプルかつメロディアスなギター・ソロが聴きどころ。
04SHY BOY
キャッチーなメロディと疾走するビートが魅力のポップ・パンク・チューン。愛の言葉を言えないのはシャイだからという一方で“不言実行”の美学を訴える真面目な歌。アメリカン・ロックのようなブリッジも粋だ。
05MY HEART FEELS SO FREE
美しいハーモニーのイントロで始まるポップ・ロック・ナンバー。天気の良い日に自由な人生を謳歌するというめっぽうポジティヴな歌。スピード感あふれるタイトなドラムと“ハイスタ節”全開のメロディが聴きどころ。
06STOP THE TIME
センチメンタルなメロディが魅力の“ハイスタ”流ラブ・ソング。君と一緒にいるだけで幸せだと伝える純粋な愛の歌。日本語にするとだいぶ恥ずかしくなりそうなものだが、英詞なので違和感なく聴きいれられる。
07HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN
CCRを代表する1971年の大ヒット曲のカヴァー。冒頭からスピーディなリズムが刻まれ、タイトなメロコア・サウンドにまとめ上げている。意外なのはオリジナルと難波章浩の声質が比較的似ているということ。
08MY SWEET DOG
犬の鳴き声で始まる約1分半のスピーディなポップ・ロック・ナンバー。タイトル通り、愛犬のことを歌った曲で、ベッドの上でフンをしてしまったりハイスタのCDを噛み砕いてしまうというユーモラスなストーリーが展開される。
09SPREAD YOUR SAIL
人生を広大な海原に繰り出す船に喩えた、ややベタな応援ソング。一度聴いたら覚えてしまうきわめてキャッチーなサビ・メロディとタイトなパンク・ビートが魅力。ギター・ソロからのメリハリのある滑らかな展開が見事。
10PATHETIC MAN'S SONG
ミディアム・ファストのストレートなロック・ナンバー。権力やお金など、目先のものに捕われて大事なものを失っていく惨めな男を哀れむ歌。ハイスタを聴くティーンエイジャーらへの熱いメッセージ・ソングでもある。
11GOTTA PULL MYSELF TOGETHER
4人姉妹アイドル・グループ“ノーランズ”の代表曲「恋のハッピー・デート」の大胆カヴァー。賛否が分かれるところだが、少なくともユニークさやチャレンジ精神は評価できる。アレンジはなかなか秀逸。
12CLOSE TO ME
13SUNSHINE BABY
“トゥ、トゥ〜”という爽やかなファルセット・コーラスが印象的なポップ・ロック。何かのカヴァー曲かと間違えてしまいそうなほどキャッチーなメロディと4つ打ちのスネア・ドラムが演出する前ノリのグルーヴが魅力。
14THE SOUND OF SECRET MINDS
イントロからしてすでにキャッチーな“ハイスタ節”炸裂の哀愁系ポップ・ロック。“心の奥底にある純粋なものを大切にしろ”という男らしいまっすぐなメッセージ・ソング。彼らのレパートリーの中でも特に人気の高い1曲。