ミニ・レビュー
70年代、80年代、90年代と、それぞれの時代のベストが3社から同時に発売された矢沢永吉。これはそのうちの90年代の作品集だ。CDエクストラ仕様で、パソコンで彼の歴史、ディスコグラフィ&バイオグラフィを堪能することができる。
収録曲
01GET UP
90年リリースのアルバム『永吉』に収録のソリッドなロック・ナンバー。夢を忘れて現実に流される者へ「Get Up!」と喝を入れる、矢沢流応援ソング。エンディングでのテンションの高いシャウトが印象的だ。
02FLESH AND BLOOD
シングル「バラードよ永遠に」のカップリングに収録のロック・ナンバー。ソリッドなリズムに乗るパワフルなヴォーカルと、男気あふれるワイルド&セクシーな歌詞が魅力。矢沢永吉にしかなし得ない“おやじロック”が全開。
03青空
95年5月にシングル・リリースされた極上ポップ・ソング。アコギとストリングスが演出する突き抜けるように爽やかなサウンドが魅力。きわめてポップな曲調が迫力と情感に満ちたヴォーカルを引き立てている。
04Love is you
アコギとフルートによる爽やかなイントロで始まる良質ポップス。コーラスを伴うサビのメロディは一度聴いたら忘れられないほどキャッチー。バラード調の前半からサビを経て静かに終わるドラマティックな展開も見事だ。
05東京
本楽曲に満ちたムーディな雰囲気は、大人なら誰もが憧れる世界。クールだが熱い矢沢の歌唱は聴き応え抜群。東京に対する矢沢の並々ならぬ思いがひしひしと伝わってくる。
06アリよさらば
秋元康が作詞を手掛けたソリッド&ワイルドなロック・ナンバー。人間をアリに喩え、自分はその一員にはなりたくないと高らかに叫ぶ。矢沢永吉が主演を務めたことで話題になった同タイトルのTBS系ドラマの主題歌としても有名。
07ニューグランドホテル
東芝EMI移籍第1弾アルバム『共犯者』からシングル・カットされたシャッフル・ロック・ナンバー。80年代らしいシンセ・サウンドをバックにした艶やかなヴォーカルが魅力。矢沢永吉が夢の中で作ったと言われている。
08もうひとりの俺
サントリー「BOSS」のCM用に書き下ろされたナンバー。アコギを主体としたシンプルなバッキング演奏とややチープなシンセ・サウンドが特徴的。過去の自分を思い出す時の独特の切なさを、哀愁たっぷりに歌いあげる。
09Anytime Woman
チヤホヤされてイイ気になっている女を皮肉たっぷりに歌いあげる、軽快なロックンロール・ナンバー。キャロル時代に作られた原曲に松本隆が歌詞を付けたもので、矢沢永吉のアウトローな一面を巧みに引き出している。
10MARIA
公開レコーディングで制作されたアルバム『MARIA』のタイトル曲。スリリングなベースを軸に、次第にシンセやギターが重なっていくイントロや、スケールの大きいメロディと相性の良い華やかなコーラスなどが聴きどころ。
11ラスト・シーン
泣きのギター・フレーズで始まる哀愁系ロック・ナンバー。ドラマの1シーンのような男女の別れの会話からギター・ソロへ続く粋な展開が聴きどころ。日本テレビ系ドラマ『刑事貴族2』のエンディング・テーマ曲。
12バラードよ永遠に
シャッフル基調のミディアム・ナンバー。女の誕生日に“指輪ひとつ贈れずバラードをギターで弾いた”など、矢沢永吉にしか歌えないベタな歌詞が魅力。アルバム『情事』収録の「太陽の領域」の原曲としても知られる。
13SOMEBODY'S NIGHT
力強い歌の響きが心地よい、89年発売のシングル曲。独特のメロディ・ラインと、ゴージャスな雰囲気の歌詞がよくマッチしている。ソリッドな音構成も魅力たっぷり。
14いつの日か
秋元康が作詞を手掛けたスケールの大きいバラード曲。ピアノのイントロから盛大なサックス・ソロを経てフェイド・アウトで終わるドラマティックな展開が魅力。TBS系ドラマ『アリよさらば』のエンディング・テーマ曲。
仕様
CDエクストラ内容:矢沢永吉90'Sフォトストーリー未公開写真本人撮り下ろしインタビュー