ミニ・レビュー
エキセントリックな歌詞が話題を呼んでいる人だが、時として過剰なまでにヘヴィになるのも、実はコンディション・グリーン以来の沖縄の伝統では。本人自作の英語詞も数曲。日本語で歌う時より舌っ足らずな表情が際立って聴こえるのがおもしろい。
ガイドコメント
感情に流されないクールな歌声が絶品のCoccoの2ndアルバム。『クムイウタ』というタイトルは沖縄の言葉で「子守歌」という意味。98年の音楽シーンに一石を投じる!
収録曲
01小さな雨の日のクワァームイ
02濡れた揺籃
03強く儚い者たち
大切に誰かを守る。そんな内容のラヴ・ソングを一掃するかのように、冷静に現実を見るCocco。大幅に環境が変われば、固く誓った約束も薄れてしまうのか。キレイごとばかりでは済まない人間を、今をばっさりと斬った。幻想的な世界に虚しい風が吹く。
04あなたへの月
05Rose letter
06My Dear Pig
07うたかた。
08裸体
09夢路
10SATIE
11Raining
Coccoの本質から紡いだように線の細い、けれど芯の通った歌声が、瑞々しい感性を迸らせるドラマティック・バラード。緩やかなアコギをベースにしたサウンドが、彼女の危うさを生々しく浮き彫りにする。
12ウナイ