ガイドコメント
あまりにもヒットしてしまった表題曲で、一躍有名になってしまったバンド。ポスト・パンク期の何でもありの状況が、プログレ的手法の延長線上にある、シニカルで実験的なアルバム。
収録曲
01LIVING IN THE PLASTIC AGE
“80年代の幕開け”と評される『ラジオ・スターの悲劇』。その名盤のオープニングにふさわしい、近未来をアイロニックに描いた秀作。アラビア風のメロディを最先端のシンセ・ポップに昇華させたテクニックは、今なお斬新だ。
02VIDEO KILLD THE RADIO STAR
t.A.T.u.、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなど、大ブームの仕掛人、トレヴァー・ホーンが70年代に結成したグループ、バグルズの1979年ヒット曲。ビデオ時代の幕開けを告げる歌詞も話題になった。
03KID DYNAMO
我ら日本人が愛する“ヒーロー戦隊モノ”の主題歌を連想させる熱さがみなぎる名曲。重厚なロック・サウンドと煌びやかなシンセ・ポップの絶妙なる融合も、収録アルバム『ラジオ・スターの悲劇』での聴きどころ。
04I LOVE YOU (MISS ROBOT)
ロボットとの恋愛という、危うい近未来を描いたミディアム・チューン。淡々とした愛の語りはなんとも仄暗い印象だが、ジェフ&トレヴァーが後に加入する“イエス”のそれを彷彿とさせる、荘厳なサウンドも随所に仕掛けられている。
05CLEAN, CLEAN
「ラジオ・スターの悲劇」に次ぐ、彼らの代表曲にして80年代テクノ・ポップの金字塔。疾走感あふれるスリリングなサウンドと、トレヴァーの腑抜けなロボット・ヴォイス。このアンバランスさが妙に後を引く、病みつきのポップ・チューン。
06ELSTREE
かの「ラジオ・スターの悲劇」が天真爛漫な姉貴分とすれば、こちらは慎ましやかな妹分といった趣の、哀愁帯びたミディアム・チューン。甘美なシンセ・ポップ路線はそのままに、前者にはない情感をたっぷりとたたえた、味わいの姉妹品。
07ASTRO BOY (AND THE PROLES ON PARADE)
英国版『鉄腕アトム』の明朗快活な主題歌……ではなく、甘美なチャイニーズ・メロディにエレクトロな近未来サウンドという舌を巻くアレンジで、彼らのシニカルな世界観を描いた大人のための極上ひねくれシンセ・ポップ・チューン。
08JOHNNY ON THE MONORAIL
終始ぶっちぎりのスピードで駆け抜ける、ダイナミックなロック・チューン。テンションが張り詰めるアレンジと華麗なるキーボードさばきには、その後の新天地“イエス”で生み出すことになる名盤『ドラマ』の予兆が、はっきりとうかがえる。