ミニ・レビュー
90年代ソフト・ロックを聴かせてくれる男性兄弟二人組ユニットのメジャー・デビュー作。洗練されたサウンドと甘く柔らかな歌声には、今の都市が持っている叙情性が優しく映し出されている。南佳孝の流れをくんだシティ・ポップスの最新型と言えるかも。
ガイドコメント
96年結成の兄弟ユニット、キリンジ。かせきさいだぁに見出されインディーズではすでにかなりの実力派として知られる彼らのメジャー・デビュー盤。70,80年代テイストのポップスだ。
収録曲
01双子座グラフィティ
弟・泰行の作。ブラスも洒脱なこのポップ・ナンバーは、ベース・ラインがウイングス「心のラヴ・ソング」風。ほのかに甘酸っぱいメロディに、やけに複雑なハンド・クラップと、魅力を挙げたらきりがない名曲。
02雨を見くびるな
兄・高樹の作。抽象的な言い回しの中に淫靡な情景を刷り込んだ、兄お得意のアダルティ路線のナンバーだ。意味深な歌詞とメロディで、苦味を感じさせるキリンジ魔術も冴えわたる。ジョージ・ハリスンを思わせる柔和なギターにしみじみ。
03さよならデイジーチェイン