ミニ・レビュー
リヴァプール出身の4人組のデビュー盤。基本的にはネオ・アコ系のギター・バンドだけど、ビートルズ、ザ・フー、キンクスなどの大先輩からスミスやREMなどの小先輩まで連想させる多様な音楽性は将来が楽しみ。ポップなセンスは如何にもリヴァプール。
ガイドコメント
リヴァプール出身のラーズが、この世に唯一残したオリジナル・アルバム。名曲として知られる「ゼア・シー・ゴーズ」を始め、パンクやネオアコを通過したサウンドが満載。ジャケットも印象的。
収録曲
01SON OF A GUN
彼ら唯一のオリジナル・アルバム『ザ・ラーズ』のオープニング曲。アコースティック・ギターの柔らかい旋律とリー・メイヴァースの少しダミ声を交えた伸びやかな歌声を前面に押し出した、ネオアコ色の濃い作品。
02I CAN'T SLEEP
60年代のガレージ・ロック・テイストに彩られた楽曲。ビートを刻むシンプルなギター音に、かき鳴らされるファズ・ギターが重ねられて心地良い。掛け合うようなコーラス・ワークが印象的で、サイケなヴォーカルをより引き立てている。
03TIMELESS MELODY
透明感のある伸びやかなヴォーカルがで美しいメロディを歌い上げる、タイトル通り時代を超えてリスナーを魅了する力を持ったポップ・チューン。各楽器間の音色の響かせ方が印象的な、みずみずしいアレンジも秀逸だ。
04LIBERTY SHIP
労働者階級の心情をユーモアを交えて綴った歌詞、アコースティック・ギターの美しい旋律、メロディアスで美麗なヴォーカル。伝統的なUKロックが持つそれらの要素を採り込み、独自のポップ感覚で再構築した楽曲だ。
05THERE SHE GOES
ザ・ラーズの代表曲であり、色あせない輝きを持ったスタンダード・ナンバー。ギターのアルペジオを美しく響かせた繊細なサウンド、ファルセットを多用したメロディアスで叙情的なハイトーン・ヴォーカルが胸に響く。
06DOLEDRUM
ドールドラムという街をテーマに、住んでいる街から抜け出したいという若者らしい衝動を綴った作品。マージー・ビートの伝統を受け継いだ、流麗なアコースティック・ギターの旋律と美しいコーラスに耳を奪われる。
07FEELIN'
60年代リヴァプール・サウンドの系譜を思わせるギター・ロックのテイストに、ニューウェイヴの要素を加味した作品。アルペジオを駆使したダイナミックなギター音に、軽快で歯切れの良いヴォーカルが絡み合うさまは秀逸だ。
08WAY OUT
87年にリリースされた、記念すべきデビュー・シングル曲。軽快なビートに美しくも力強いギターの旋律が絡み、明朗で表情豊かなヴォーカルが折り重なる爽快なナンバーだ。間奏のギター・ソロが圧巻。
09I.O.U.
幾重にも重ねられたアコースティック・ギターの響きが印象的なネオアコ・サウンドに、ほんのりロカビリーのエッセンスを交えたハイ・レベルなナンバー。「I.O.U〜」と歌うキャッチーなフレーズに胸が躍る。
10FREEDOM SONG
アコースティック・ギター、タンバリン、ヴォーカルのみで構成された、アイリッシュ・トラッド・テイスト漂う弾き語り風のナンバー。マイナー・コードを多用したギターの旋律と歌声が美しく重なり合う。
11FAILURE
ビート系パブ・ロックやロカビリーの要素が色濃いアッパー・チューン。ゴリっとした骨太なベース音とシャープなギター・カッティングに、エフェクト処理が光るダイナミックなヴォーカルが絶妙に絡み合い、空間に響きわたっている。
12LOOKING GLASS
メロウなアコースティック・ギターの旋律と、内省的な詩を歌う美しく切ないヴォーカルで始まる静かな冒頭から、しだいに音数が増えて終盤で疾走、恍惚感がピークに達する。壮大でドラマティックな展開を持つ作品だ。
13KNOCK ME DOWN
14ENDLESS
15COME IN COME OUT
16WHOK NOWS
17MAN I'M ONLY HUMAN
18ALL BY MYSELF
19CLEAN PROPHET
20THERE SHE GOES