ミニ・レビュー
ニルヴァーナやソニック・ユース作品のプロデュースでお馴染みブッチ・ヴィグが自ら結成した新バンドの第1弾。これが期待をはるかに上回る出来。テープ・ループやサンプリングを駆使しつつもメロはあくまでやるせなく、しばらくハマり込んでしまいそうだ。
ガイドコメント
“FUJI ROCK FESTIVAL”の出演で、日本での認知度を一気にあげたガービッジの記念すべきファースト・アルバムがプライス・ダウンして再発売。これは90年代ロックを語るうえで重要となる歴史的名盤だ! 必聴!
収録曲
01SUPERVIXEN
02QUEER
エレクトロなサウンド・エフェクトとスッカスカのブレイクビーツのリズムが気怠いスロウ・ナンバー。酩酊しているようなヴォーカルと変態を賞賛するような歌詞の内容など、終始、どこか背徳的で淫靡な香りが漂っている。
03ONLY HAPPY WHEN IT RAINS
インダストリアル・サウンドらしいズシンと重たいビートとファズの効いたノイジーなギターが気怠く疾走している、緩やかなロック・チューン。エッジのあるサウンドだが、甘ったるい歌声とキャッチーなメロディが全体の印象を丸くしている感じだ。
04AS HEAVEN IS WIDE
05NOT MY IDEA
06A STROKE OF LUCK
07VOW
記念すべきデビュー・シングル。デジタル・エフェクトとグランジをブレンドしたゴテゴテなサウンドと、シャーリー・マンソンのビッチ臭漂う妖艶な歌声の絶妙なマッチングが、世間に鮮烈なイメージを植えつけた。
08STUPID GIRL
浮遊感のある妖艶なサウンドとノイズ・ギターのハードなカッティングが印象的なミドル・ロック・チューン。鬱々としたサウンドと歌詞が吐き出すダーティなメロディは、グランジっぽくもあるが、ニューヨーク・パンクの影響下にあるようにも思える。
09DOG NEW TRICKS
10MY LOVER'S BOX
11FIX ME NOW
12MILK
幻想的で曖昧としたサウンドの中をぼんやりと漂う輪郭のはっきりしないシャーリーの歌声が印象的なメロウ・バラード。自身をミルクに例えたシンプルな悲恋歌ではあるが、圧倒的なヴォーカルの存在感が独特でダークな世界観を作り上げている。
13SUBHUMAN
14 1CRUSH