ミニ・レビュー
山下達郎との出会いによりプロ活動に入った大貫妙子は、あの幻のグループ“シュガー・ベイブ”に参加、本格的デビューを果たす。メッセージ色の濃いフォークとは異なり、彼らは、はっぴいえんど、ティンパンアレー同様日本語によるロック、ポップスを模索していた。グループ解散後いつからだろうか、気がついた時には大貫妙子は、ヨーロピアン・ムードが似合うシンガー・ソングライターに変身していた。かすかにカーテンを揺らす風のような彼女の歌声は、大げさなサウンドが多い世の中でかえって心に強く残る。「ピーターラビットとわたし」他、彼女の曲はメルヘン風シャンソンといった趣きがあり、他の追従を許さない独自の世界を形成する。
ガイドコメント
大ヒットを記録した坂本龍一アレンジの「ピーターラビットとわたし」「黒のクレール」を含む、82年発表作品の再発盤。彼女の初期作品の中でも傑作と誉れ高い《RCA名盤選書》シリーズの1枚。