ミニ・レビュー
とにかくリリース枚数の多いミッシェルだが、マキシ・シングルを集めたこの一枚は、ファンには嬉しい企画盤。それでもベタなヒット・シングルはほぼ排除しているところが憎らしくもあり嬉しくもあり、まさに裏ミッシェルなカッコよさ満載。惚れるっ。
ガイドコメント
時代にマッチした、ワイルドなロックンロールが最高にかっこいいミッシェルのマキシ・シングルを集めたベスト盤。現在行なっているライヴ・ツアー最終日の発売で、より話題をよびそうだ。
収録曲
01キャンディ・ハウス
“Go Back, Candy House”という掛け声とアグレッシヴなサウンドが魅力のナンバー。体の芯に響くどっしりとしながらも軽快にうなるベースが、間奏ではエモーショナルなギターを引き立てている。時折奏でられるハーモニカが効果的。
02オートマチック (トランジスタ・ヴァージョン)
メーターを振り切った爆音ギター・サウンドと絶叫するチバのヴォーカルのリフレインのみでほとんどが構成された、シンプルなロックンロール。パンキッシュなサウンドには、どこかしらラモーンズの影が見てとれる。2ndシングル「キャンディ・ハウス」のカップリング。
03君に会いにゆこう
04カルチャー
重みのあるベースにギターのカッティングが映えるパブ・ロック・ナンバー。荒っぽさのなかに怪しさが見え隠れするチバの歌唱が魅力的。さりげなく“カルチャー”と“枯れちゃう”をかけている歌詞がおもしろい。
05ランドリー
06カーテン
シューゲイザー系を思わせるフィードバック・ノイズ・サウンドを主体としたメランコリックなナンバー。寂寥感と甘さが同居した、彼らの中でもとりわけ「泣き」のメロディだが、チバのドスの利いたヴォーカルで、女々しくなっていないのも良いバランスだ。
07CISCO〜想い出のサンフランシスコ (She's gone)
焦燥感を煽るヘヴィなサウンドが体に響く攻撃的なロックンロール・ナンバー。“CISCO!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!”とシャウトするだけのシンプルな曲ではあるが、それがかえって強烈なインパクトを与える。
08ゲット・アップ・ルーシー
“沈み込む 沈み込む”“終わりだね 終わりだね”など、虚無感に満ちた歌詞を力強く歌うミッド。8ビートのシンプルなリズムにのせた、歯切れのよいギター・リフとバックでうなるベースが耳に残る。間奏のギターの怪しげなメロディにも注目。
09スピーカー
10スパイダー スパイダー
11深く潜れ
重たく響くベース・ラインに気だるそうなギターを乗せ、渋さと憂いを醸し出している。中盤のテンポ・アップから終わりまでの勢いとうねるサウンドが痛快。“深く潜ったままでいい?”というダウナーな詞はチバならでは。