[Disc 1]〈TONIGHT I'M YOURS〉
01TONIGHT I'M YOURS
これから始まるロック・ショーへ、期待に胸踊らさずにはいられないオープニングSE。ステージのセンターに煙草をくゆらせて立った布袋の頭上から、ギターが降りてきてそれを手にする布袋、会場もロックンロール・モードへシフト・アップ。ヒット・チューンのオンパレードとなったこのツアーの幕開けにふさわしい一曲。
02スリル
ライヴのオープニング・ナンバーはいきなり95年発表の大ヒット・シングル「スリル」。「ベイビーベイビー!」の連呼だけでここまで熱くなれるロック・チューンがあるだろうか? ラストに布袋が叫ぶ「TONIGHT I'M YOURS=今夜、俺はお前のもの」は本ライヴ・アルバムのタイトル。
03CHANGE YOURSELF!
「スリル」でヒート・アップした会場をさらに熱くするネクスト・ナンバーがこの「CHANGE YOURSELF!」。BOφWY時代の楽曲を彷佛とさせるシンプルなビートとキャッチーさが印象的な一曲で、軽快なギター・ソロ、布袋の熱いメッセージがストレートに響く。会場もサビを大合唱。「カモン!」と会場を鼓舞する布袋に拳を突き上げて応えたくなるナンバーだ。
04BEAT EMOTION
ライヴを支えるザッカリー・アルフォード(ds)と渡辺貢(b)のキャラクターが随所でフィーチャーされており、シャープなリズムが印象的なこれまでにない「BEAT EMOTION」となっている。オリジナルより数段スピード感がアップした、ライヴ・アレンジともいうべきハードなナンバーへと変貌している。
05YOU
久しくライヴでは披露されていなかった91年発表のリカット・シングル。中盤のギター・ソロで心地よさそうに“ギターを弾きたおす”布袋が印象的なバラード・ナンバーで、アコースティック・ギターの音色とバッキングを刻むギターの絡みがサウンドに深みを生んでいる。ラストでふたたび、長尺ギター・ソロを挟み会場はさらに一体感を増していく。
06ラストシーン
ポップでありながら、切ない。布袋の音楽家としてのセンスが発揮された96年発表のシングル・ナンバー。ライヴ・ヴァージョンということもあり、ザッカリー・アルフォードが刻むドラムがタイトな印象を与えてくれる。情感豊かなギター・ソロは秀逸。ロマンティックな空気にオーディエンスが包まれていくのが伝わる一曲だ。
07さらば青春の光
ライヴ本編も、終盤。「ラストシーン」の次の曲は、93年発表のシングル「さらば青春の光」。布袋は1番のAメロにはヴォーカルを挟まず、オーディエンスに歌わせてしまう(大合唱は圧巻!)。ライヴならではと思わずにはいられない、熱いナンバーで、とにかくどの楽器の音よりも会場の歌声のほうがデカい印象の一曲。
08サレンダー
沸点に達したオーディエンスに届けられるナンバーは「サレンダー」。オープニングの「ランランラン〜」のコーラスはもちろん大合唱。スピード感を増したライヴ・テイクならではの勢いにあふれていて、一音だけで延々とひっぱるお馴染みのギター・ソロでは、布袋に声援を送らずにはいられない。
09命は燃やしつくすためのもの
タイトルからして、とにかくメッセージ性の強いナンバー。ライヴでは特別なインパクトを与え、サイモン・ホールによるオーケストラ・アレンジはますます光っている。絞り出すように歌う布袋の言葉に胸が熱くなり、中盤ではザッカリー・アルフォードのドラム・ソロをはさんで、ギター・ソロで幕を開ける。
10CIRCUS
これまで布袋が発表してきたシングルの中でも特に徹底した世界観に貫かれた一曲。タイトルどおり「CIRCUS」を想起させるようなフレーズや歌詞を紡いでいく。ライヴでは散々オーディエンスを煽ったあと、布袋自身が中国ドラを打ち鳴らしてエンディング。和洋折衷、摩訶不思議な空気感漂う異色ナンバーだ。
11POISON
渡辺貢(PERSONZ)のベース・フレーズで会場は興奮のるつぼ。大ヒット・ナンバー「POISON」である。これまでのヒット・ナンバーを中心に演奏するというのがテーマだったライヴだけに、あたらめてこの曲を耳にすると熱いものが込み上げてくる。完全にステージとオーディエンスが一体となったロック・ショーのあるべき姿がここに。
12LONELY★WILD
本編のラスト・ナンバーは、ファンのみならず、布袋自身にとってもテーマ・ソングとなっている定番曲。オリジナル・ヴァージョンに近いアレンジでストレートに聴かせる。自分を解放するかのように伸びやかに歌う布袋、そしてオーディエンス。ラストのギター・ソロは泣きまくり、思いのたけをぶつけた迫真のプレイだ。
13バンビーナ
アンコールの1曲目を飾るのは、自身がロデオ・ロックと命名した、ロカビリー・テイストが新鮮なアッパー・チューン。「レッツ・ゴー!」のかけ声で会場はふたたびヒート・アップ。多彩なギター・プレイを披露する布袋の懐の広さがうかがえる。リズムをタイトに支えるザッカリー・アルフォードのドラミングにも注目。
14NOBODY IS PERFECT
不器用でも力強い布袋の歌声に聴きいってしまう、『TONIGHT I'M YOURS』のラスト・ナンバー。99年に発表されたシングルで、ストリングス・アレンジをマイケル・ケイメンが担当し、ライヴでもそのSEを使用して男の哀愁、悲哀そして決意といったものをさらに演出。なお、実際のライヴ自体ではこの後も数曲披露している。
[Disc 2]〈B-SIDE RENDEZ-VOUS〉
01サイバーシティーは眠らない
95年発表の大ヒット・シングル「スリル」のカップリング曲で、その年の12月、横浜アリーナで行なわれた「Tokyo Inter-Live“サイバーシティーは眠らない”」のテーマ・ソングとも言うべき一曲。激しくもキャッチーなギター・リフに思わずテンションが上がってしまう。新たなHOTEIサウンドを予感させるサイバー感覚が随所にあふれている。
02GET YOUR GUN
ロックはギター・リフだとこれを聴けば納得してしまいそうな、99年発表のシングル「バンビーナ」のカップリング曲。ロカビリー調だった「バンビーナ」に相反して、シンプルな8ビートでスピード感あふれる展開が印象的。「己の銃を取れ!」と布袋にしか歌えない、力強い男気あふれるメッセージが強烈だ。
03COOL CAT (fetish-mix)
95年発表の大ヒット曲「ポイズン」のカップリング曲で、オルケスタ・デ・ラ・ルス、米米CLUB、JAGATARAなどでの活動で知られる村田陽一をブラス・セクションに迎えた、ジャジィでファンキーな一曲。本作は『fetish』の冠がつけられたミックス・ヴァージョンで、ビート感を増してよりダンサブルに、猥雑な雰囲気を高めている。
04TOGETHER
96年発表のシングル「ラストシーン」のカップリング曲として発表されたナンバー。盟友であり、ライヴでも共演を果たしたジーザス・ジョーンズのマイク・エドワーズとの競作。カップリング曲で本来の音楽趣向を覗かせるのがいかにも布袋らしい。しっとりとしたミディアム・スローで、無機質な打ち込みサウンドの中にも、温かさを感じさせる不思議な一曲。
05DAY BY DAY
96年発表のリカット・シングル「命は燃やしつくすためのもの」のカップリング曲として発表されたナンバー。日に日に募っていく相手への思いを不器用ながらも歌った一曲で、聴いているこっちが気恥ずかしくなるような、てらいのないラヴ・ソング。穏やかなピアノとギターがその心象風景を表現している。
06七年目の幽霊 (ゴースト)
93年発表のシングル「さらば青春の光」のカップリング曲として発表されたナンバーで、多彩なロック・スタイルを内包する布袋ならではの粋な一曲。ロカビリーを下地にしたスローな曲調で、ブラスやシンセサイザーで味付け、喪失感を抱えて生きるある男の人間像を描く。ふだんとは異なるテイストの楽曲を楽しんでいる様子が浮かんできそうなナンバー。
07FUN FUN FUN (「STOLEN SONG」のテーマ)
布袋の曲にあわせて疑似プレイをして楽しむ、ヴァーチャル・ギター・TVゲーム『STOLEN SONG』のために書き下ろされたインスト・ナンバー。ドライヴ感のある展開で聴いていると気分爽快、ギター・リフ&ソロとロックの醍醐味がつまったハードな一曲だ。キャッチーなフレーズが満載の布袋印のロッキン・チューン。
08SUGAR BABY LOVE (drive-mix)
もともと『GUITARHYTHM III』の限定アナログ盤にボーナス・トラックとして収録されていたルベッツのカヴァー曲で、本作は別ミックス・ヴァージョン。原曲の持ち味はそのままに布袋のギター・ソロが唸る。過去にデヴィッド・ボウイのカヴァーも披露した布袋の、70'sな趣向が浮き彫りになっている秀逸なカヴァーだ。
09CRYING IN THE CHAPEL
『GUITARHYTHM IV』の限定アナログ盤にボーナス・トラックとして収録されていたエルヴィス・プレスリーのカヴァーで、リカット・シングル「薔薇と雨」のカップリング曲として発表。94年のライヴ・ツアー、「GUITARHYTHM SERIOUS? TOUR」のエンディング・テーマとして終演後流されていた。
10SLASH!CRASH!FLASH!
シングル「NOBODY IS PERFECT」のカップリング・ナンバー。「NOBODY〜」とは対照的にトレモロ・ユニットを生かした強烈なうなりをあげるギター・ソロが印象的で、ザクザクと刻むヘヴィなリフが荒々しい布袋の側面を覗かせる一曲。ビートと絡み合うような渡辺貢(PERSONZ)のベース・プレイにも注目を。
11SAVE ME
映画『SAMURAI FICTION』に自ら出演し、音楽制作も担当した布袋寅泰のヴォーカル入り楽曲。デジタル・ビートを取り入れたミドル・チューンで、サビに向かって徐々に盛り上がるアレンジが秀逸。熱く燃えるギター・ソロと、布袋の圧倒的な存在感を感じさせる歌声が魅力。さりげなく太鼓のリズムを配した和的な感覚も絶妙だ。
12ESCAPE'99
94年発表のシングル「サレンダー」のカップリング曲として発表されたナンバーで、布袋の故郷である群馬から上京してくる時の思いを歌にした一曲。本作は99年の別ミックス・ヴァージョン。上京し、BOφWY、COMPLEX、そしてソロと成功をおさめた布袋だからこそ歌える、10代の懐古ソング。