ミニ・レビュー
グラスゴー出身のバンドのセカンド・アルバム。ギターを中心としたインストゥルメンタル・ロックだが、ゆったりとしたビートが不思議な緊張感をもつ。静寂な美しさがメランコリックに胸に迫る。プロデュースはマーキュリー・レヴのデイブ・フリードマン。
収録曲
01PUNK ROCK
メランコリックなアコースティック・サウンドの上に、イギー・ポップが「パンク・ロックとは何か」を説いた有名なインタビューをコラージュ。モグワイのパンク魂とユーモア精神が剥き出しとなったナンバー。
02CODY
スティール・ギターによる、ほんわかとしたオーガニックな空気と祈るような優しいヴォーカル、サイケデリックなギターが絶妙に絡んだ癒し系のナンバー。トロトロに溶けて、まどろみながら聴きたい。
03HELPS BOTH WAYS
04YEAR 2000 NON-COMPLIANT CARDIA
ストレンジでフリーキーなエレクトロ・エフェクツが創り出す、幻想的かつイマジネイティヴな音世界が広がるユニークなトラック。宇宙を旅するようなトリップ感が味わえる、心地良いナンバーだ。
05KAPPA
モグワイのお家芸ともいえる、バンド・アンサンブルによる静寂と轟音のコントラストが描くドラマが楽しめる。繊細かつ大胆なアレンジと、聴く者のイマジネーションを掻き立てるストーリー性は唯一無二。
06WALTZ FOR AIDAN
ゆったりと流れるスローなテンポのなか、柔らかいアコギとキーボードがなだらかな起伏を創出。丁寧に編まれたサウンド・テクスチャーの妙が楽しめる1曲で、繊細なメロディが甘く切なく胸に染みる。
07MAY NOTHING BUT HAPPINESS COME THROUGH YOUR DOOR
寄せては返す小波のような優しく温かいサウンド・スケープが、儚い夢のような世界を描くスローなナンバー。ありきたりなヴォーカルよりも雄弁に内省的な感情を紡ぐギターの音が心を震わせる。
08OH! HOW THE DOGS STACK UP
09EX-COWBOY
10CHOCKY
11CHRISTMAS STEPS
変拍子とノイズ・ギターが絡みあうさまは、まさにカオス! アルバム『カム・オン・ダイ・ヤング』でもっとも凶暴でワイルドなこの曲があまりに鮮烈な印象を残すため、最初は他の楽曲がかすんでしまうかも。できるだけ大音量で聴いてほしい。
12PUNK ROCK|PUFF DADDY|ANTICHRIST