ガイドコメント
サード・アルバム。繊細な詩と透明感のある歌声で2000年の“ayu”を綴る。発売前から話題となった前作『LOVEppears』を超える内容と、期待大だ。
収録曲
01starting over
アルバム『Duty』の冒頭を飾る原田憲作曲のインストゥルメンタル・チューン。2ステップのハウス・サウンドに乗って、クールな質感を保つ低音と温かく包む高音部のスキャットが交互に織りなしていく。
02Duty
グレゴリオ聖歌隊と思われる歌声をサンプリングしたイントロが耳を引くミディアム・チューン。哀愁感が濃いギターとの絡みが叙情詩的なメランコリック・バラード。悲愴感を背負ったヴォーカルが気だるく重くのしかかる。
03vogue
花の散りゆく姿と人との別れを重ね合わせ、切なく歌を響かせる。一歩ずつ踏みしめるようなサウンド、ラテン調のキーボードが、ひらひら舞う花弁をおぼろげに映す。誰かを想う心は、ただただ儚い。
04End of the World
“世界の終わり”という不穏なタイトルだが、実はかなり私的で、内面から鋭くえぐるあゆらしい詞が展開する。絶望の果てから這い上がるための“君”に希望を寄せる、ミディアム・ロック・チューン。
05SCAR
しっとりとした肌をぬぐう質感のメロディに、丁寧に言葉を紡いでいくヴォーカルが特徴のミディアム・チューン。当たりの柔らかさを感じる詞とは裏腹に、浜崎自身の行き場のない喪失感や憂いが見え隠れする曲。
06Far away
07SURREAL
08AUDIENCE
高みを望むアグレッシヴなメロディ・ラインと重厚なバウンスを刻むビートのシンクロが、興奮度を上げるダンス・チューン。一緒に歩いていこうというポジティヴな詞だが、そう願いたいという自身の心の揺れを感じる雰囲気も。
09SEASONS
10teddy bear
ノイズ音からピアノ・ソロへとつなぐイントロが、レトロな雰囲気を醸し出すミディアム・スロー・バラード。悲痛な過去の思い出を引きずりながらも、幼い頃の憧憬をテディ・ベアに重ねたノスタルジー・ソング。
11Key (エターナル・タイ・ヴァージョン)
温かみのあるギター・リフとパーカッションの響きからスタート。コーラスでは感傷を誘うストリングスをバックに、込み上げる情感を抱きつつ高みへ昇っていく。癒しと熱情の二面性を持つドラマティックな展開が心に伝う。
12girlish
演奏前の微笑ましい雰囲気がうかがえるイントロに笑い声やハンドクラップなど、生身の温かさを感じるナンバー。ブックレットに詞は記載されてないが、それは等身大の自分を見てほしいという彼女の願望なのかもしれない。