ガイドコメント
ベストではないのに『GREATEST HITS』と銘打たれた1stアルバム。スマッシュ・ヒットとなった「Free World」などを含み、言葉の響きとリズムが一体となったグルーヴ感にあふれた1枚。邦楽っぽくない格好よさがたまらない。
収録曲
01LADY MADONNA〜憂鬱なるスパイダー〜
シンプルなギター・リフと、日本語と英語を交えて気だるく歌われるヴォーカルが憂鬱さを醸し出している。だがどこか全体的にカラッとした乾いた雰囲気がおしゃれな、LOVE PSYCHEDELICO屈指の名曲。
02Your Song
アコースティック・ギターのリフが印象的な2ndシングル。シンプルなロック・テイストを軸に据えつつ、ポップな感覚も織り込んでゆく作風がしっかりと確立された、彼らの指針を示した曲。
03Last Smile (extention mix)
04I mean love me
フェイドインからスタート。すべて英語による歌で、徐々に音が重なっていき、ファンキーなギターのカッティングへと繋がってゆく。都会の雑踏を描き出したようなクールなナンバー。
05Moonly
スタンダードなロック風のギター・リフと英語と日本語のヴォーカルを組み合わせたナンバー。ただしバックのリズム・セクションは抑えめで、ギター・リフとヴォーカルの絡みをフィーチャーしている。
06Are you still dreaming ever-free?
夢見る若人に幸あれ、といったメッセージを込めた、カントリー&ウェスタン・テイストの陽気なナンバー。土臭くなりがちなサウンドも、彼らにかかればどこかクール。僅か1分弱の小曲にも、“デリコ流”はしっかり息づく。
07I miss you
日本語と英語を坦々と連ねていくリリックが、難解ながらもたまらなく憂いを誘う、初期の名ナンバー。一口に言えば、哀愁を滲ませた単調なフォーク・ロックだが、サイケデリックな間奏でつかの間の彩を放つ美しい展開は、聴くほどに秀逸。
08ノスタルジック '69
ウッドストック・フェスが行なわれるなどロックの象徴的な年、1969年へと思いを馳せつつ、現在への問いかけを含む歌詞に彼らのメッセージが感じられるナンバー。ブルージィかつロッキンなギター・リフとあくまで軽いリズムがオシャレ。
09These days
“風に揺られながら君へふと I LOVE YOU”……、不意に抱く淡い切なさを綴った、哀愁のカントリー・バラード。アーリー・アメリカンなサウンドと、感情を押し付けないクールなヴォーカル・スタイルのバランスが絶妙。
10LOW (ver.1.1)
メロディアスなロックでありながら、そこにラップ風なアプローチをまぶした、シンプルさと斬新さが同居しているナンバー。息継ぎが難しいほどに、フレーズを押し込むヴォーカルはエアロスミスの「ウォーク・ディス・ウェイ」を彷彿とさせる。
11A DAY FOR YOU
全編に響くアコースティック・ギターが、牧歌的な佇まいを見せるミディアム・スロー・ナンバー。「free you all」という掛け声がリフレインで続き、伸び伸びとした印象を与えてくれる。