ガイドコメント
5枚目のオリジナル・アルバムは、砂原良徳、エイドリアン・シャーウッドらをプロデューサーに迎え、ACOの深い音楽性がさらに追求された最高傑作。「ハートを燃やして」ほかシングル3曲収録。
収録曲
01メランコリア
ドリーミーで夢遊病に陥ってしまうかのような感覚を覚えるダブ・サウンド・ナンバー。神秘的なヴォーカルに深い音楽性が追求され、力強い個性を十分に発揮した美しいスロー・バラードへと昇華する。
02星ノクズ
2001年5月発表の13thシングル。恐怖さえ感じてしまう美しいサウンド・プロダクションに憂いを帯びた儚げなヴォーカルが、神秘的な世界を表現したドリーミー・ポップ・ナンバー。夜空に対して深い親近感が沸く名曲。
03カナリアは鳴く
澄みきったヴォーカルに美しいピアノ、そしてストリングスの包み込むかのような旋律が、浮遊感をいっそう高めて響かせるスロウ・バラード・ナンバー。エレクトロニカルなサウンドは、カナリアが鳴いているようにも感じられる。
04真正ロマンティシスト
スモーキーで伸びのあるコーラスが美しさを醸し出す、煌めきを帯びたヴォーカルが聴く者に安らぎを与えてくれるスロー・ナンバー。物語の始まりを感じさせるイントロに、体の芯に響くようなリズムの効いたベースが小気味良く鳴る。
05空シラヌ雨
一筋の憂いを帯びたヴォーカルから、沈む・広い・深い世界を感じさせられる作品性の高いセンチメンタルなスロウ・ナンバー。無機質なサウンドに、包み込むようなストリングスがいっそう妖しい雰囲気を引き立てている。
06ASK ME (Instrumental)
美しいハーモニー、浮遊感のある左右に広がるギター、重たいけれど一歩引いたところで響いているベース。どれもが気持ち良くなるスローなインスト・ナンバー。体を休ませるときにぴったりの曲。
07This Woman's Work
ケイト・ブッシュのカヴァー曲。潤いを帯びたヴォーカル、あくまでもサポート的なコーラスが、川のせせらぎのような流れるサウンドにゆっくりと溶けていくスロー・バラード。カヴァー曲をしっかりと自分の曲にしてしまっている、彼女の歌唱力に驚かされる。
084月のヒーロー
2001年2月発表の12thシングル。プロデューサーに砂原良徳を迎え、全体的に浮遊感のあるサウンドで統一された哀愁漂うスロー・ナンバー。ところどころにメリハリの効いた切ないヴォーカルは、感情が見え隠れしていて、はっとさせられる。
09Time
ゆっくりとしたのテンポでしっかりとリズムを取った、シンプルだが重厚感あるサウンドに、抑揚のあるソウルフルなヴォーカルが重なるポップ・ナンバー。曲の途中でフランジャーが効くところは、意識をもっていかれるかのような新感覚。
10Interlude (Instrumental)
伸びやかなハーモニーに始まる、ニック・イングマン率いるオーケストラがエレクトリックなサウンドと共演するスケール感のあるスロー・ナンバー。リズミカルなドラムや民族調のヴォーカルなどにもセンスが感じられる。
11貴方に捧ぐうた
エイドリアン・シャーウッドによるプロデュース。叙情性に満ちた切ない世界を描くヴォーカルに、ニック・イングマン率いるオーケストラが郷愁感漂うサウンドを響かせてくれる、絶品のバラード・ナンバー。
12ハートを燃やして (Special Branch Mix:Alan Branch)
2001年11月発表の11thシングルの別ヴァージョン。ロック志向なギターに感情の乗り移ったヴォーカルが絡まるポップ・ナンバー。物語のようなサウンドは、クラシカルな楽器の使用によって構成されている。
13星ノクズ (dub version:Adrian Sherwood、Alan Branch)
2001年5月発表の13thシングルのダブ・ヴァージョン。原曲より更に深遠感の増したヴォーカルが、エキゾチックなムードを漂わせるスロー・ナンバー。音が四方八方から現われてくるような面白いミックスは、奇才エイドリアン・シャーウッドによるもの。