ガイドコメント
78年に最初の解散をしたダムドがブライアン・ジェームスを除いて再結成し、翌79年にインディーズから発表した、アルバム第3作目。大ヒット・シングル「ラヴ・ソング」をふくむ会心の作だ。
収録曲
01LOVE SONG
メタル・テイストのイントロから疾走パンク・チューンへと展開する、ダムドの進化を見せつけた一曲。バンド最大のヒット・ナンバーであり、猛々しく突き進む豪快さは、どこか懐かしい雰囲気を持ったサビのメロディと相まって、心地良く耳に響く。
02MACHINE GUN ETIQUETTE
タイトルどおり、轟音で畳み掛ける破壊力抜群のパンク・ナンバー。激しいビートの中でこれでもかと鳴らされるシンバルのクラッシュが、まるでライヴハウスでの一発録音を聴いているかのように思わせる。
03I JUST CAN'T BE HAPPY TODAY
3rdアルバム『マシンガン・エチケット』からのシングル・ナンバー。日常に満足できない苛立ちを表わした歌詞はパンク・スピリットそのままに、キーボードの音色がダムドの新しい魅力を引き出している。
04MELODY LEE
美しいピアノのイントロに壮大なロック・バラードを想定してしまうが、突然スピーディなパンク・ソングに切り替わるという、良い意味で期待を裏切られるナンバー。デイヴ・ヴァニアンの透き通る歌声も魅力的。
05ANTI-POPE
「反教皇」というラディカルなメッセージが込められたパンク・ナンバー。シンプルかつ直線的に攻めるスピーディな楽曲の間に挟まれた、それぞれのソロが絡み合う絶妙な間奏には自然と耳をそばだててしまう。
06THESE HANDS
ワルツ調のリズムに「HAHAHA……」という笑い声。ラストは男女2人らしき足音で締めくくられており、それらの演出は彼らの奥深い世界観なのか、それとも単なる遊び心なのか……。終始不気味な雰囲気の漂う意味深長な曲。
07PLAN 9 CHANNEL 7
何かの出現を示すようなダークな雰囲気のイントロと鋭い8ビートが特徴的なナンバー。気持ち良くすんなりと体に染み込んでくるコーラス・ワークも絶妙で、特に中盤以降の練られた構成は聴きごたえ十分。
08NOISE, NOISE, NOISE
ノイズとともに目覚め、ノイズとともに生きる。荒れたロンドン・パンク文化の中にありながら、それを心底楽しんでいたというダムド。ノイズを愛する純粋な思いと、パンク・ロックへと向かう初期衝動の魅力を歌ったナンバー。
09LOOKING AT YOU
MC5の名曲をダムド流に消化したナンバー。勢いで押しまくるハイ・スピード・ナンバーながら、その安定したリズムと荒々しくも確かな表現力には、すべてを委ね聴き入ってしまうほどのパンク・スピリットにあふれている。
10LIAR
「I'm a liar liar 〜」のコーラスが耳に残るキャッチーなナンバー。キース・ムーンを彷彿とさせる手数の多いラット・スキャビーズのドラムを軸に、全開で突き進むエネルギッシュな楽曲は、無駄のないストレートな仕上がりになっている。
11SMASH IT UP (PART ONE)
全部でパート4まである「スマッシュ・イット・アップ」シリーズのパート1。静かに奏でられるキャプテン・センシブルのギターが美しいインスト・ナンバーで、聴き手をそっと誘い込むような独特の雰囲気を持った楽曲だ。
12SMASH IT UP (PART TWO)
名盤『マシンガン・エチケット』からのシングル・カット・ナンバー。心が躍る軽快なビートに弾むキーボード、そして転調を繰り返す見事な曲構成。ポップとスリルを兼ね備えた魅力的なナンバーで、全英35位を記録した。