ガイドコメント
70年代末から活動しているオルタナティヴ・ゴッド・バンドの『NYCゴースツ&フラワーズ』から2年ぶりのアルバム。今回もまたヒリヒリする独自の路線を貫いた快作。日本先行発売発売予定。
収録曲
01THE EMPTY PAGE
元々はサーストンのソロ用だった曲をバンド仕様にリフォーム。サーストンの柔らかい歌とギターを軸に、ロック的アプローチのバンド・サウンドで肉付け。アヴァンギャルドな要素は薄く、かなりストレートな作風が新鮮なナンバー。
02DISCONNECTION NOTICE
ジム・オルーク加入後の武器“エレクトロ・サウンド”が、ぐつぐつと煮込むようなプレイから生まれるインプロヴィゼーション・サウンドと融合。抽象的な物言いの歌詞に隠された意味が、少しずつ浮き上がってくるよう。
03RAIN ON TIN
静と動のサウンドが厚く太く束ねられるまでの過程を記録した魅力的なプログレッシヴ・インスト。言葉での表現はなくとも、後半の泣きむせぶような展開が、この曲のテーマが“9.11”であることを雄弁に物語っている。
04KAREN REVISITED
リー・ラナルドのソングライターとしての充実ぶりが伝わる、ポップでカオティックな長尺ナンバー(部分的にライヴ録音)。後半に展開される激しいノイズ・インプロヴィゼイションが聴き手の周囲にホワイト・アウト現象をもたらす。
05RADICAL ADULTS LICK GODHEAD STYLE
ノイズ・ジャズ・トリオ“ボルビトマグース”のメンバーが参加したフリーキーなナンバー。ニューヨークを代表する轟音プレイヤーたちが互いに繰り出すノイズを研ぎ合いながら、芸術的ジャンク・ポップへと昇華。
06PLASTIC SUN
曲名はプラスティックながら、聴こえてくるギターの旋律はすさまじく金属的。ギターがキィキィときしめば、キムのビッチな歌唱には高ぶる感情がギリリときしむ。多彩なドラミングが曲全体のドライヴ感を終始キープ。
07SYMPATHY FOR THE STRAWBERRY
サーストンとキムの愛娘ココが登場する『ムーレイ・ストリート』のジャケットを思わせる詞を歌ったナンバー。長い前奏を経て歌い出すキムの歌声には、高ぶる感情と母性が同居。アブストラクトなサウンドに、不穏なムードは増すばかり。
08STREET SAUCE