ミニ・レビュー
サウンドスケープ……そんな言葉を坂本龍一の映画音楽に感じていたことだが、こうしてクロニクルに振り返ると、もっと根源的なエモーショナルな温度感を感じてやまない。それを分かりやすく解説している本人のライナーがまたこの上なくありがたい。★
ガイドコメント
自らが初めてベスト盤の企画に参加したという、これ以上ない“坂本龍一大全集”のフィルム・ワークス篇。彼が手がけた映画音楽にスポットをあて、日本未発売のレア音源なども収録されている。
収録曲
01「戦場のメリークリスマス」〜Merry Christmas Mr.Lawrence
坂本が“世界のサカモト”と認知されるようになるきっかけを作った大島渚監督の映画より。本作に出演もしている坂本による、ピンと張り詰めた空気が漂うメロディアスなこの曲を、彼の代表作とする人も多い。
02「子猫物語」〜闘い
03「オネアミスの翼」〜国防総省
04「ラストエンペラー」〜Rain (I Want A Divorce)
05「ラストエンペラー」〜The Last Emperor-Theme
87年に公開されたベルトリッチ監督の映画より。アジアを感じさせる坂本の音楽は、壮大な世界観を持った作品とよくマッチしており、広大な中国大陸が目の前に広がっていくようだ。
06「侍女の物語」〜MAYDAY
07「シェルタリング・スカイ」〜The Sheltering Sky Theme
08「シェルタリング・スカイ」〜Loneliness
09「シェルタリング・スカイ」〜Dying
10「ハイヒール」〜MAIN THEME
11「嵐が丘」〜Main Theme/End Titles
12「リトル・ブッダ」〜THE MIDDLE WAY
13「リトル・ブッダ」〜ACCEPTANCE-END CREDITS
14「スネーク・アイズ」〜Snake Eyes (Short Version/Theme)
15「愛の悪魔」〜Bathroom
16「愛の悪魔」〜Love Is The Devil
17「鉄道員」〜鉄道員 (piano version)
99年公開の、浅田次郎の小説を高倉健の主演で映画化した作品より。切なく奏でられる凛としたピアノの音に、ほのかに漂う和のテイストが、雪深い北の広大な大地を思わせる。
18「御法度」〜End Theme
19「ワイルド・サイド」〜Hotel Room
20「アレクセイと泉」〜Alexei and the Spring/Ending