スライ&ザ・ファミリー・ストーン / エッセンシャル・スライ&ザ・ファミリー・ストーン [2CD]

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スライ&ザ・ファミリー・ストーン / エッセンシャル・スライ&ザ・ファミリー・ストーン [2CD]
CD
ガイドコメント
ファンクの歴史を語る時、決して忘れられない重要グループ“スライ&ザ・ファミリー・ストーン”の待望のデジタル・リマスター・ベスト。2枚組35曲入りで、初心者からマニアまで納得の充実度。
収録曲
[Disc 1]
01UNDERDOG
記念すべき1stシングル曲。社会的境遇に対する悲観的な心情を述べつつも、「きっとうまくいく」と自分に言い聞かせる苦悩の歌。スライのヴォーカルは至ってパワフルだが、緩急ある楽曲展開がどこか陰を残すよう。
02I CANNOT MAKE IT
1stアルバム『新しい世界』収録のミディアム・ロック。スライをはじめとするメンバーの表情豊かなヴォーカル/コーラスを筆頭に、シンプルかつ効果的なホーンや絶妙な重量感をともなったグルーヴィな8ビート、3拍子を交えたフックなど、味わいどころが多い。
03DANCE TO THE MUSIC
彼らにとって初のヒット曲であり、2ndアルバムのタイトルにもなった代表曲。メンバー紹介風の歌詞に沿ったライヴのような展開や突き抜けるようなシャウト、強烈なグルーヴなど、エンタテインメント性が極めて高い。
04ARE YOU READY?
タイトな8ビートが心地良いファンク・ロック・チューン。やや唐突にドラムだけのバッキング演奏になる中盤からラリーの歌とベース・ソロ、フレディの歌とギター・ソロとつながっていくあたりがセッションのようだ。
05FUN
スタッカートの効いたスラッピング風のベース・ラインがポップ感を助長する極上パーティ・ロック。基本的に“楽しい”しか述べていない歌詞や高めのヴォーカル・ライン、エンディングの笑い声など、とにかく楽しい!
06M'LADY
ベース・ラインを歌う低音ヴォーカルやギターを真似るスキャットなど、遊び心に満ちた痛快ファンク。目まぐるしく展開しているが、それを感じさせないほどテンションが高い。隠し味的なクラリネットにも注目。
07LIFE
オルガンやチューバを用いたマーチ風のイントロが印象的な3rdアルバムのタイトル曲。歯切れの良いリズム隊をバックにした派手なユニゾン・コーラスとキャッチーなブラスが、聴き手を鼓舞する。スライ流人生応援歌。
08LOVE CITY
“永遠の楽園”をテーマにしたミディアム・ナンバー。基本的にひとつのコードで成り立っている、いわゆる“一発モノ”のファンクで、グレッグ・エリコの強力にグルーヴするドラムを随所でフィーチャーしている。
09STAND!
傑作の誉れ高い4thアルバムの表題曲。ソフトな歌いまわしが印象的なAメロと女性バック・コーラスが映える華やかでファンキーなサビとのコントラストが美しい。「ライフ」同様、聴き手を奮い立たせるポジティヴな応援ソングだ。
10DON'T CALL ME NIGGER, WHITEY
ユーモアの感じられる軽いタッチで人種差別を扱った異色のナンバー。“トーク・ボックス”と呼ばれるワウ・ギターのようなエフェクトを取り入れた、奔放なスキャットが聴きどころ。約6分という曲尺は、彼らにしては長めだ。
11I WANT TO TAKE YOU HIGHER
ファンクの古典とも言われる彼らの代表的ナンバー。コード進行の変化はほとんどないが、骨太なベースを軸にした音圧のあるサウンドで、最後までテンションを途切れさせない。ソロ・パートでの斬新なハーモニカの導入でも知られる。
12SOMEBODY'S WATCHING YOU
優しいメロディと温もりに満ちたブラス・サウンドが穏やかな雰囲気を醸し出す良質ポップス。時折ダンディな表情すら見せるスライのリラックスしたヴォーカルと、それを支えるコーラスのハーモニーが一際美しく響く。
13SING A SIMPLE SONG
ファンク・ミュージックの礎のような名ナンバー。グルーヴやフレージング、音の重ね方など、あらゆる面でその後のファンクの特徴や魅力を備えている。彼らが後世に与えた影響がいかに大きいかを証明する一曲。
14EVERYDAY PEOPLE
初の全米No.1ヒットを記録した1969年のナンバー。タイトな8ビートにキャッチーなメロディが乗る極上ポップ・チューン。公民権運動の余韻が残る当時の情勢を背景に、スライなりの視点で人種問題を取り上げている。
15YOU CAN MAKE IT IF YOU TRY
ブラスとギターのユニゾン・フレーズで始まる華やかなファンク。タイトルどおり「君ならできる」と高らかに歌い上げるポジティヴな歌だ。重厚なコーラスや終盤の16分音符を埋めるようなドラム・フレーズが印象的だ。
16HOT FUN IN THE SUMMERTIME
6/8拍子基調のミディアム・ポップ・チューン。夏の間だけ帰って来る“she”をテーマにした歌で、郷愁の念にも似た情緒が味わいどころ。オリジナル・アルバムには収録されていないが、シングル化されヒットした。
17EVERYBODY IS A STAR
丸みのあるオルガンが曲全体に落ち着いた空気を漂わせるミディアム・バラード。クレッシェンドするブラスをバックにしたソフトな響きの“パパパ〜”が印象に強い。特にフェイド・アウトするエンディングが感動的だ。
18THANK YOU (FALETTINME BE MICE ELF AGIN)
開祖ラリー・グラハムのスラッピング・ベースが全編で繰り広げられる全米No.1ヒット曲。彼らの代表曲名が登場する気の利いた歌詞は、この後にリリースされる名盤『暴動』への方向転換を示唆していると言われる。
[Disc 2]
01FAMILY AFFAIR
名盤『暴動』の中でも特に評価の高いナンバー。スライの枯れたような声や諦めにも似た歌詞など、空虚さに満ちた重たいファンク。かつての底抜けに明るい姿から一変していたため、当時のファンは大いに戸惑った。
02LUV N' HAIGHT
「いい気持ちだから動きたくない」と「いい気持ちだから動きたい」を延々と繰り返す濃厚ファンク。薬物中毒が進んでいた事実を考えると、スライがドラッグでハイになった状態の心境を綴ったと察せられる。
03POET
「俺はソングライターだ」というだけの歌詞や、ソロもなくバッキング演奏が続くだけの後半の展開など、当時の社会情勢の中で1人つぶやくような、スライの渾沌とした精神性が感じ取れる一曲。リズム・ボックスを土台にした粘度の高い16ビートが心地良い。
04(YOU CAUGHT ME) SMILIN'
音割れ寸前まで炸裂させるスライのパワフルなヴォーカルが際立つスムーズ・ファンク。いたってソフトなコーラスやバッキング演奏とのギャップが皮肉たっぷりの歌詞とマッチしている。『暴動』の中でも人気の高いナンバーだ。
05RUNNIN' AWAY
『暴動』からシングル・カットされた人気曲。ファルセットがかったスライのヴォーカルと柔らかいラッパがチャーミングに響く一方、歌詞からは人をあざ笑ったような印象を受ける。ソングライティングのセンスはピカイチだ。
06BRAVE & STRONG
動きの激しいベースにとりとめのないホーン、さらにスライのヴォーカルにも微妙なムラがあるなど、雑然としたサウンドが耳につく。精神状態が良くないからこそ「survive!」と自らを奮い立たせているようだ。
07JUST LIKE A BABY
6/8拍子を基調としたブルージィでヘヴィなファンク・ナンバー。振り絞るようなかすれ声やファルセットなど、感情むき出しのヴォーカルが聴きどころで、プリンスがスライから多大な影響を受けたことが実感できる。
08THANK YOU FOR TALKIN' TO ME, AFRICA
1969年の全米No.1ヒット曲「サンキュー」の別アレンジ・ヴァージョン。桁違いにスローで重たいグルーヴが7分以上繰り返されるド級のファンクで、オリジナルとはまったく異なる趣。ひたすらグルーヴを味わう一曲。
09IN TIME
オリジナル6作目『フレッシュ』の冒頭を飾ったスリリングなファンク・チューン。スライが自身の薬物中毒を絡めつつ前向きに内省する歌。新加入したアンディ・ニューマークが裏拍の多い個性的なドラムを披露している。
10IF YOU WANT ME TO STAY
収録アルバム『フレッシュ』から加入したラスティ・アレンの抑揚あるベースでも知られる人気ナンバー。ダミ声からチャーミングなファルセットまで、スライのヴォーカルにユーモアが感じられるポップなファンクだ。
11FRISKY
ブラス・セクションの2小節に及ぶロング・トーンを特徴とするグルーヴィなナンバー。本曲のテーマもスライのごく個人的な心情で、彼のセンシティヴで弱い姿が垣間見られる。それは控えめのヴォーカルにも自然と表われている。
12SKIN I'M IN
高品位なブラス・ファンク・ロック。10行に満たない歌詞だが、音楽で成功した自信や黒人たる自負など、スライの複雑な心境が読み取れる。ゾクゾクさせるようなリズム隊のイントロから華やかな歌い出しへの展開が聴きどころ。
13BABIES MAKIN' BABIES
アルバム『フレッシュ』のラストを飾ったミディアム・ファンク。スライの奔放なヴォーカルの背後で多彩なコーラス・ワークが繰り広げられ、それを支えるリズム陣も必要最低限の心地良いバウンス・グルーヴを醸し出している。
14IF IT WERE LEFT UP TO ME
冒頭から一貫して力強い女性コーラスが展開される2分弱のタイトなポップ・ナンバー。一緒にボソボソと歌うスライと潔いエンディングが実にキュート。アルバム『フレッシュ』収録曲の中でも人気の高いナンバーだ。
15TIME FOR LIVIN'
オリジナル7作目『スモール・トーク』収録の良質ポップ・チューン。前向きな歌詞だけでなく、バックの軽快なストリングスやゴスペル風コーラスが、息子の誕生を喜ぶ当時のスライの幸福感を表わしているかのようだ。
16LOOSE BOOTY
ビースティ・ボーイズなどのサンプリング・ネタとしても知られるパーティ・チューン。圧倒する音作りからゴキゲンなグルーヴまで、極めて完成度が高い。名盤『暴動』以降は駄作とするファンには是非、今一度聴いて欲しい。
17I GET HIGH ON YOU
スライ・ストーンのソロ名義盤『ハイ・オン・ユー』のタイトル曲。かつてのような闘争性やメッセージ性こそないが、サウンドは洗練されつつも強力にグルーヴし、彼のヴォーカリストとして才能も遺憾なく発揮されている。
アーティスト
  • スライ&ザ・ファミリー・ストーン
    1967年、スライ・ストーンを中心に米国サンフランシスコで結成されたファンク・ロック・バンド。「ダンス・トゥ・ザ・ミュージック」のヒットで注目され、69年には全米1位を獲得した「エヴリデイ・ピープル」を含む『スタンド!』を発表してトップ・ス……
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