ミニ・レビュー
90年後半にサイケで抹香な香りとともに現れ、優れた2枚のアルバムの残し解散したバンドのベスト。諸事情からお蔵入りしていたボブ・ディランのカヴァー(14)や、さりげなく新ヴァージョンな(1)(13)など、マニア向けの音源も用意。さらに最後の最後にも謎の音源が……。
ガイドコメント
99年に惜しまれつつ解散したUKロック・バンド、クーラ・シェイカーのベスト盤。日本盤の限定仕様のみ、彼らの全ビデオ・クリップを収録したスペシャルDVD付きなので、ファンは要チェックだ。
収録曲
[Disc 1]〈CD〉
01サウンド・オブ・ドラムス
02イントゥ・ザ・ディープ
1960年代ロック原理主義的な楽曲が多いデビュー作『K』の中で、1970年代ロック、それもプログレッシヴ・ロック的なエッセンスを感じさせてくれるのがこの曲。ゆるめのグルーヴに乗せ、精神の解放をうながす詞が紡がれる。
03グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッド/ジェリー・ワズ・ゼア
04108バトルス (オフ・ザ・マインド)
05スタート・オール・オーヴァー
異国情緒が色濃く漂う彼らの他の曲と比べると個性の点では弱いが、メロディの魅力では引けを取らない。彼らにしては珍しいくらいに正面から失恋が歌われているうえ、ブルージィな曲調も新鮮に感じられる。
06ヘイ・デュード
1960年代ロックの旨味をベースにしたサウンドに、ぷんぷんと漂うインドの芳香。彼らのイギリス、日本での成功を決定づけた問答無用のグルーヴ突出ナンバー。呪文のような歌詞の一節は、ガンジーの言葉がヒントになった。
07ドロップ・イン・ザ・シー
グルーヴィなサウンドで突き進む一方で、アコースティック・サウンド主体のフォーキーな楽曲も得意だったりする彼ら。サイモン&ガーファンクルを思わせるムードの穏やかなこの曲で、彼らのそんな魅力が浮き彫りに。
08シャワー・ユア・ラヴ
09ハッシュ
ディープ・パープルのカヴァーで知られるジョー・サウス作の名曲。ドラッグを女性に見たてて欲する歌詞の偽装ラブ・ソングを、彼らはジミ・ヘンドリックス風味を加えたグルーヴィなアート・ロックへと無邪気に改装した。
10タットヴァ
11303
ひたすら車(設定がベンツであるところにクーラらしさが!?)を走らせる歌詞そのままの疾走ナンバー。コーラス・ワークやワウを効かせたギターなど、1960〜70年代ロックのエッセンスを無邪気に消化した小技の連続攻撃が光る。
12ライト・オブ・ザ・デイ
男クリスピアン、あるいはロック・スターの嘆きか、弱々しい独白が綴られた歌詞同様に、曲調ももの悲しく痛ましげなアコースティック・ナンバー。が、歌詞に光が射し始める後半には、楽曲にも力強さがみなぎっていく。
13ミスティカル・マシン・ガン
14やせっぽちのバラッド
15ダンス・イン・ユア・シャドウ
ベスト盤に収録されたことで多少なりとも再評価されるようになった陰の名曲。アコースティック・サウンドを軸に、ベースやオルガンで太めのグルーヴ感を加え、インド的な空気をたっぷりと注入した彼らお得意の曲調だ。
16ゴヴィンダ
[Disc 2]〈DVD〉
01グレイトフル・ホエン・ユーアー・デッド
02タットヴァ
03ヘイ・デュード
1960年代ロックの旨味をベースにしたサウンドに、ぷんぷんと漂うインドの芳香。彼らのイギリス、日本での成功を決定づけた問答無用のグルーヴ突出ナンバー。呪文のような歌詞の一節は、ガンジーの言葉がヒントになった。
04ギヴィンダ
05ハッシュ
ディープ・パープルのカヴァーで知られるジョー・サウス作の名曲。ドラッグを女性に見たてて欲する歌詞の偽装ラブ・ソングを、彼らはジミ・ヘンドリックス風味を加えたグルーヴィなアート・ロックへと無邪気に改装した。
06ミスティカル・マシン・ガン
07シャワー・ユア・ラヴ