ガイドコメント
ソロ活動15年を経て東芝EMIに復帰、ソロ・ワークスを凝縮した限定ベスト盤をリリース。「Angel」など代表曲はもちろん、BOφWY時代の曲をリテイクしたスペシャル・ヴァージョンも。
ガイドコメント
2003年にソロ活動15周年を迎える氷室京介。記念作品となる東芝EMI復帰第1弾は、レーベルを超えた2枚組ベスト。BOΦWY時代の名曲を特別に録音し直した音源も含む決定盤。
収録曲
[Disc 1]
01ANGEL
1stソロ・シングル(88年発表)にして、以後も何度もリテイク版がリリースされるほど本人の思い入れも特に強い一曲。BOOWY時代を彷佛とさせるポップ・ロックをあえて踏襲した氷室節全開のビート・ナンバー。
02LOVE&GAME
ピコピコ鳴るコンピュータ風シンセ・サウンドが印象的な8ビート・ポップ・ロック。タイトル通り、男と女のラブ・ゲームがテーマ。小泉今日子に楽曲提供した「3001年のスターシップ」のセルフ・カヴァーとなる。
03ROXY
吉田建との共作によるシャッフル・ナンバー。軽快なモータウン・リズムやライトなバッキング・コーラスなど、きわめてポップな仕上がり。間奏のカラフルなアンサンブルとエンディングの長めのギター・ソロも聴きどころ。
04DEAR ALGERNON
セミ・アコ伴奏の静かなイントロで始まるミディアム・ポップ。バリトン・サックスを採り入れたキャッチーなサビが特徴的。“ALGERNON”とはダニエル・キイス著『アルジャーノンに花束を』に登場する天才ネズミのこと。
05ALISON
フレットレス・ベースやソプラノ・サックスなどを採り入れたスロー・バラード。シャレたコード進行と比較的オーソドックスなサウンド・メイキングがBOφWY時代のバラードとは明らかに異なる味わいを醸し出している。
06SUMMER GAME
89年7月リリースの3rdシングル曲。夏の甘い恋愛をテーマにしたロック・チューンで、バリバリに歪んだエレキ・ギターとソリッドなドラムが特徴的。ヘヴィなイントロから爽やかなサビまで、なめらかに展開する。
07COOL
インダストリアルなイントロで始まるアップ・テンポのポップ・ロック・チューン。ドラムとカッティング・ギターが絡み合うにぎやかなバッキング演奏と、主に低音域でパンチを効かせる氷室京介のヴォーカルが特徴的。
08CALLING
ファン人気の極めて高いライヴ定番曲。人類の愚かさへの憂いをテーマにしたソリッドなポップ・ロック・ナンバーで、詞・曲ともにスケールが大きいのが特色。全霊を込めて歌い上げるサビのヴォーカルが最大の聴きどころ。
09JEALOUSY
氷室が得意とする王道的ポップ・ロック・ナンバー。キャッチーこの上ないサビから程よく雰囲気を変えるグルーヴィな間奏まで、スタンダードな1曲。当時のトレンディ・ドラマ『恋のパラダイス』の主題歌としてヒットした。
10CRIME OF LOVE
3rdアルバム『ハイヤー・セルフ』の冒頭に収録されたマイナー調のロック・ナンバー。裏拍の多い特徴的なラインを弾くベースや長めのソロを展開するギターなど、各楽器が適度に主張し合うバンド的サウンドが魅力だ。
11WILD AT NIGHT
エンジンのSEで始まるタイトなロック・チューン。作曲にも携わっている友森昭一(レベッカに参加)のエッジの効いたギターやバックの掛け声など、まさに“ワイルド”な仕上がり。唐突なエンディングもユニークだ。
12LOVER'S DAY
ミディアム・テンポのラブ・バラード。氷室京介のセンシティヴな一面がよく出た歌詞や、シンプルだが味わい深い泣きのギター・ソロなどが魅力。3rdアルバム収録のピアノ・ヴァージョンと比較して聴くのも面白い。
13MOON
高音域での優しいピアノ・フレーズが印象的な美しいスロー・バラード。氷室京介の情感豊かなヴォーカルとストリングスを採り入れた滑らかなバッキングが魅力。藤本ひとみ原作アニメ映画『月光のピアス』のエンディング・テーマ曲。
14URBAN DANCE
ソリッドなファンク・グルーヴを特徴とするミディアム・ナンバー。低音でのセクシーなヴォーカルやホーン系シンセ音のディレイなど、アダルト・コンテンポラリーな印象が強い。日本テレビ系ドラマ『ひとりでいいの』主題歌。
15MEMORIES OF BLUE
4thアルバムの表題曲となった8ビート・ポップ・ロック。裏拍の多いメロディ・ラインやポップな印象を決定づけるストリングス・サウンドなどが特徴的。BOφWY的ビート感から脱却した氷室京介を象徴する1曲。
16RAINY BLUE
氷室京介ならではのスケール感あふれるバラード・ナンバー。ピアノとストリングスを主体とした前半からロック基調の後半へと、ドラマティックに展開。クライマックスでのエモーショナルなヴォーカルが特に魅力的だ。
17KISS ME
4thアルバム『Memories of Blue』(92年発表)の曲作りの際、一番最初にできた曲ということもあり、トリックのないシンプルなビートが印象的な一曲。オープニングのかっちょいいカッティングを耳にしただけで、ギターを手にした人多数。
[Disc 2]
01VIRGIN BEAT
5thアルバム『SHAKE THE FAKE』(94年発表)のオープニングを飾る起伏の激しいロック・チューン。セクシーで危ういロックな世界観が十二分に感じられる。「カメリアダイヤモンド」のCM曲としてもオンエアされた。
02SHAKE THE FAKE
5thアルバムのタイトルとなったライヴ定番曲。氷室京介が意図的に“インチキ”っぽさを出したロックンロール・ナンバーで、毒気のあるヴォーカルやオーソドックスなギター・リフ、コーラスとの掛け合いなどが特徴的だ。
03PLEASURE SKIN
派手やかなブラスが際立つバリバリのファンク・ナンバー。バンド・アンサンブルとユニゾンを歌うサビの英語詞が実に歯切れ良く、見事にメロディと一体化。分厚いサウンドにも勝る氷室京介の存在感も特筆に値する。
04STAY
極めてポップでキャッチーなサビからワイルドなギター・ソロまで、巧みにまとめあげられた8ビート・ロック。オーソドックスながらもしっかり聴かせてしまうプロの技に納得。これぞ“ヒムロック”といえる、ロックンロールの真髄をみせつけられるナンバーだ。
05SQUALL
さりげなく、オルガン・テイストのシンセが薄く全体を覆い、洒脱な雰囲気を醸し出す6thアルバム『MISSING PEACE』収録のシングル曲。漂うビートに思わず身をまかせたくなること必死。これぞ大人のロック・ナンバー。
06WALTZ
6thアルバム『MISSING PEACE』に収録された、3拍子のバラード・ナンバー。ピアノ、ストリングスを配したアレンジで、サビ部分でぐっとメジャー感を増してゆく展開が印象的。ヒムロックのヴォーカルもなんとも優しい。
07魂を抱いてくれ
日本人好みの美しいメロディが光る王道バラード・ナンバー。ピアノ中心のイントロから壮大なストリングスを交えた終盤までのドラマティックな展開が魅力。“氷室ワールド”全開の歌詞は、大御所の松本隆が手掛けている。
08NATIVE STRANGER
スティーヴ・スティーヴンスのギターが唸りまくるドライヴ感満点のナンバー。勢いのある演奏に対して、クールにヴォーカリストとしての力量をみせつける。7thアルバム『I・DE・A』からのリード・シングル曲。
09NO MORE FICTION
ベースとギターの地を這うようなユニゾン・リフが特徴的なハード・ロック・ナンバー。言葉じりを上げる節まわしや巻き舌など、氷室京介特有のセクシー・ヴォーカルが魅力。多彩なフレーズを披露するギター・ソロも聴き応えあり。
10HEAT
アップ・ビートを強調した軽快なポップ・ロック・チューン。Bメロでのカウンター・メロディや重ね録りで奥行きを出したサビなど、随所でギターが大活躍。J-POP独特の切なさを感じさせる文句なしの名ナンバー。
11SILENT BLUE
壮大なスケールのポップ・ロック。16ビートを刻むシーケンス・トラックと白玉系のバッキングがファンタジックな世界観を演出し、夜明けの大空を想起させる歌詞と相まって、聴き手に極めてポジティヴな印象を与えている。
12DIAMOND DUST
氷室京介ならではの甘くセクシーな歌声が魅力の人気スロー・バラード曲。過度の演出を控えつつも、ドラマティックに展開する巧みなアレンジが光る。フジテレビ系ドラマ『氷の世界』の主題歌となり、ヒットした。
13JULIET
BOφWY時代の名曲「わがままジュリエット」のニュー・ヴァージョン。温もりに満ちたアコギのサウンドと軽やかな打ち込みトラックが特徴的。ソロ・アーティストとして成長した氷室京介の説得力あるヴォーカルも魅力だ。
14TO THE HIGHWAY
BOφWY時代の「ハイウェイに乗る前に」の新録版。曲の雰囲気はオリジナルに近いが、サウンドはより重厚に。聴き比べられるリスクを負いながらも、過去の楽曲にチャレンジする氷室京介のひた向きな姿勢はやはり“ロック”だ。
15ANGEL 2003
ソロ・デビュー曲の2003年ヴァージョン。音質が良くなっているのは当然だが、細かい表情がより豊かになった氷室の歌もまた魅力的。15年前の高いテンションになかなか勝てず、ヴォーカル録りに時間をかけたという。
16CLOUDY HEART