ミニ・レビュー
ヒット曲「ムーンライト」を収録したファースト・アルバム。80年代J-POPをルーツとするANIKIが手がける楽曲は、芸人の余技という枠を完全に越え、新しい歌謡曲のスタイルをしっかり確立。HIROとのコーラスも良く、聴き応えのある作品になっている。佐野元春など、ゲスト陣も豪華。★
ガイドコメント
ANIKI(Don Doko Donの山口)、HIRO(雨上がり決死隊の宮迫)による話題のフォーク・デュオ、くずのニュー・アルバム。ゲストに渡辺美里、宇多田ヒカル、甲斐よしひろ、西城秀樹、大友康平、佐野元春を迎える。
収録曲
01ムーンライト
夏の夕涼みになんとも映える、企画モノのくせにニクイ楽曲。サックスとピアノでちょっとお洒落な匂いも漂わせちゃって。仕舞いには餅をペッタンペッタンと、笑い心も忘れない。意外によくできている曲です。
02風が吹いてる
80年代J-POPのような懐かしさを思わせる、爽やかな男気あふれるナンバー。歌詞の熱さのわりに、不思議とちっとも暑苦しくない。宇多田ヒカルの清涼なコーラスも良い。それを演出するアレンジの妙が素晴らしい。
03お前からの手紙
今や懐かしい“手紙”という情緒のあるやり取りがテーマの微笑ましいフォーク・ソング。難しいリズムもさらりと歌いこなすところから、二人の歌の上手さが良くわかる。台詞では、想いを感情のままに吐き出します。
04赤とんぼ
05サンタになれなかった夜〜くずなクリスマス〜
クリスマスを独りで過ごすハメになった、サンタになれなかった男の悲しきストーリー。夜空の星を眺めてセンチメンタルに浸っていたら、雪まで降ってきちゃって切なさ最高潮。ANIKIのハーモニカがいい味出してます。
06明日は晴れ
秋の夕方を思わせるような、穏やかさ漂うナンバー。レゲエのリズムを基調に、マイペースな曲調。日常なんて忘れてしまえそうな気になる。ゲスト参加は西城秀樹。“ハ〜ン”の声は反則技を使われた気分。誰もが笑う。
07あの頃のままで
08恋なんて
恋愛に対する姿勢は人それぞれにしても、“前向きさ”は大事。という、真っ当な説を唱える男の恋愛観を歌ったナンバー。未練がましさを忘れられます。GLAYのTERUとTAKUROがちょこっとゲスト(ささやき)で参加。
09虹がかかってた
10生きてることってすばらしい
落ち込んだときの特効薬。苦い薬なんかよりよっぽど効果てきめんかも。ポジティヴさ満載のくず流「上を向いて歩こう」。ハイテンションな歌と演奏に、思わず楽しい気分にさせられる。ライヴでも盛り上がること必至のナンバー。