ミニ・レビュー
野崎良太=Jazztronikのメジャー第1弾はミニ・アルバム。ボサ・ノヴァ、サンバ、ハウス……の肉感とクールネスが入り混じるグルーヴは、心と頭に気持ちよさを呼ぶ。またムーディなインスト曲ではチルアウトを演出するなど、アルバム全体のバランスも絶妙だ。
ガイドコメント
葉加瀬太郎、MONDO GROSSO、bird、m−floらをはじめとする豊富なプロデュース経験の持ち主、野崎良太がついにメジャー進出。海外でも注目を集める新たな才能を聴き逃すな!
収録曲
01intro
抑制の効いたサンバのリズムが鼓動のように打ち続く、アルバム『Horizon』のイントロダクション。闇の中からモワモワと湧き上がるようにトーン・アップするリズムが、耳の中でこだまする。シンプルだが、心を揺らす不思議な世界を構築している。
02アオイアサガオ
グルーヴ感が心地よい、夏のムードが漂うナンバー。静かで叙情的なピアノに始まると、曲調は一転し、軽快なビートが入り込む。程よいピアノやパーカッションをバックに従えた女性ヴォーカルが印象深い。フルート・ソロが涼しさを演出。
03RITA
ブラジリアン・テイストのラテン・ハウス・ジャズ。熱を帯びたサンバのリズムを背景に、強烈な印象を持って反復するピアノの旋律と心を波立たせる情熱的なフルートが美しく響きわたる。野崎良太のピアノの魅力を凝縮したといえるナンバー。
04Interlude
アルバム『Horizon』に収録の、1分30秒の心地良い安らぎのインストゥルメンタル。熱帯のムードを含むラテンのリズムと、波のような揺らぎを持つアコースティックなメロディが、一体となって流れていく。涼しく不思議な音の世界が堪能できる。
05Dance with me
初夏を思わせる爽快でダイナミックなダンス・チューン。ブラジリアン・フュージョン全開の軽快なサンバのリズムに、メランコリックな風情を持つ女性ヴォーカルが踊る。躍動感あふれる鮮やかな演奏に、野崎の職人技が光る1曲。
06Horizon
ギターとピアノによって優しく切なく奏でられるスロー・バラード。穏やかで壮大な音の流れが、ムーディなクールネスを漂わせている。ストリングスやフルートなどの生音に重心を置いた、心に染みわたる音として構築したアルバム・タイトル曲。
07Estar Com Voce- ESTAR COM VOCハ -
アダルトで洒落たムードのラテン・フュージョン・ジャズ・ナンバー。個性光る巧みな音変化と高度な演奏で聴かせて、ラストは女性ヴォーカルでダンサブルに盛り上げている。丁寧に演奏されたピアノのアクセントが絶妙。
08Estar Com Voce (Samba ver.)- ESTAR COM VOCハ -
派手に鳴り響くリズムと熱いパーカッションに彩られた、ブラジリアン一色のサンバ・ヴァージョン。アピートなどのブラジル楽器がこれでもかと盛り上げている。後半には華やかな女性コーラスも入り込み、元気いっぱいの夏を演出している。